Life and Dance in Latino Style

ラテン音楽、スペイン語圏のラテン音楽とダンス。サルサ、レゲトン、バチャータ、メレンゲ等。中南米関連。ラテンファッション。スペイン語。その他の音楽関連

サルサバーが閉まっていく

ラテンは明るくて陽気ではじけてる、というイメージ。
ラテンアメリカ人は平日は朝から晩まで一生懸命働いて、週末になったら飲みに行ったり踊りに行ったりパーティで楽しみます。
毎日毎日明るくて楽しんでるわけではなくて、仕事で多忙な平日が終わってようやく週末でストレス発散してるんです。
ー年間の発散は、フェスティバルやカーニバルですね。
「僕たちは楽しいときも悲しい時も歌ったり踊ったりして気持ちを表す」って、彼らは言います。

ラテンはそのバランスがあるから、生活は大変だけど幸福度実感は世界でトップクラスだし自殺率も世界で低いんじゃないかと思います。

日本人の多くは勉強や仕事と家の往復だけの人生といわれてるでしょ、週末くらいストレス発散したいですよね。
でももし休日にはじける楽しみを奪ってしまったら、どうなるでしょう。楽しみを奪えば、変なところで発散したりうっぷんをはらそうという人が出てくるかもしれません。

数年前から、日本でクラブ(音楽がかかって踊れるところ)の取り締まりがあってかなりクラブが閉鎖されました。最近その取り締まりがさらに激化したようです。
(先月の新聞の記事  「クラブじゃ踊れない? 風紀法違反、店の摘発あいつぐ」 を参照)


サルサバーでは、横浜のラテンクラブが最近一時閉鎖になり(一時か永久かまだわかりませんが)、日本で一番老舗のラテンクラブSUDADAも閉店に追い込まれることとなったそうです。
SUDADAといえば日本にできたサルサバーの一号で、SUDADAが日本のサルサをひっぱってきたのです。六本木が日本のサルサのメッカとなったのも、SUDADAのおかげだと思います。そのSUDADAが消えるなんて。。。


日本の法律の風営法によると、バーで音楽をききながらただ首をふるだけでもうダンスにあたるんだそうです。

「 全国でクラブ摘発が急増。 理由はダンスが善良な風俗を害する」  というネット記事も参照。



この風営法終戦直後の昭和23年にできた法律です。
戦争中の配給のための米穀通帳所持義務の法律が1980年代まで生きていたような感じ。
しかもこの風営法、以前はビリヤードも規制の対象になっていたそうです。

取り締まられたバーやライブハウスは、客を踊らせた、という罪で警察に逮捕されたそうです。


クラブを危険視する人たちがクラブは風営法で規制すべきだというなら、まずクラブを風営法から外して、あらたにもっと厳しい規制をつくればいいと思います。


私はメキシコやコロンビアという世界で危険国といわれている国にいましたけど、クラブやバーの管理体制は日本よりしっかりしていました。
メキシコは、クラブに入る前にボディガードが何人も立っていて荷物の中をチェックして、男女に分かれてボディチェック。トイレの中にも係員がいます。
コロンビアも、クラブに入る前はボディガードにより荷物とボディチェック。女性は女性のガードマンからチェックされます。トイレにも1-数名の担当がいます。

メキシコやコロンビアの繁華街には警察がパトロールしているし、特に観光客が多い場所などは警察が店に入ってチェックすることもあります。
このようにチェックがかなり厳しくて武器や麻薬や危ないものなどを持ち込むことは難しいため、客は安心して楽しむことができます。
都市の繁華街では2-3時ごろに店を出て自家用車やタクシーで家に戻る客が多いです。郊外には朝までやっている店があります。ほかの国ではそんなにタクシーで家に帰るのが高かったり遠くないから、タクシーで家に気軽に帰れます。

日本は朝になってクラブから出てきた人たちが街を歩くのが近所迷惑になっているという声もあるらしいですが、日本は終電の時間が早く終電が出てしまったら朝の始発まで待つしかない。ほんとは2時や3時までには帰りたいけど、帰る方法がないから5時半までへとへとになって待つしかないです。日本はタクシーの値段が高すぎるし、このご時世でタクシーチケット持ってる人いません。
2時くらいで帰れるように、主要都市や近県に深夜バスを値段割増しで出したらいいと思います(ロンドンだと私がいたときは深夜バスが1時間に1本は各方面にあった)。深夜バスがあれば1時や2時で帰る人も多くなるでしょう。

日本は変な事件が多いし治安が悪化しているし、クラブで物やお金をとられることもあるし、クラブによっては酔っ払い同士のけんかが起きることもあります。でもそういうことは警察はあまり取り締まってくれません。クラブで置き引きやけんかに巻き込まれるなどの犯罪にあって警察に行っても警察は親身になってくれません。
クラブの入場のときは荷物やボディチェックをしっかりしたり、ときには警察が麻薬犬を使ってクラブの抜き打ち検査するなど麻薬の取り締まりもすればいいんじゃないですか。

中南米がやってるような取り締まりをすれば、客は安全にダンスやお酒を楽しむことができるのに。日本はなぜそういうことをしないのでしょう。
なんで日本はたんにダンスをするということだけ取り締まって、ほんとの犯罪は取り締まらないの? 
本気で犯罪を取り締まりたいなら、メキシコやコロンビアみたいな策を考えればいいのにって思うんですけどね。


このままクラブがどんどんつぶれていってサルサやラテンダンスが消えていくのを見てるのはつらいと思ってブログに書きました。



<関連のブログ過去記事>
「震災後、”元気を出せ”っていいながらダンスを奪う日本」
「風営法の標的はペアダンスだった」
「サルサのどこが善良な風俗を害するペアダンスなの?」
「ダンスはいくら弾圧しても死なない」
「ダンスは善良な風俗を害するもの
「クラブ取り締まりに対抗するには 」
「ダンス全般が風営法違反だって。公民館さえ」

「ビーチサルサの危機」
「閑散…クラブではNo dancing」
「あのクラブまでもがクローズ!」

2006年に私が書いたクラブ取り締まりに対する過去記事
「クラブ消滅の危機」
「六本木のクラブ、閉鎖」

ブログのカテゴリーとして 「クラブの取り締まり・閉店」 で、クラブの取り締まりと取り締まりによる閉店について何度も書いてます(ジャンルはラテンに限らずクラブ全般)