Life and Dance in Latino Style

ラテン音楽、スペイン語圏のラテン音楽とダンス。サルサ、レゲトン、バチャータ、メレンゲ等。中南米関連。ラテンファッション。スペイン語。その他の音楽関連

日本は性暴力の被害者をバッシングし黙らせる国、とコロンビアで報道

南米コロンビアの大手新聞に、日本の性暴力の被害者へのバッシング についての記事が昨日掲載されました。(4月2日)


世界でMETOOのムーブメントが拡大している中で、日本は性暴力の被害女性をバッシングして沈黙させる国と報道。



元記事はEl ESPECTADORという新聞。

https://www.elespectador.com/noticias/el-mundo/japon-el-pais-que-anima-las-victimas-de-abusos-sexuales-callar-articulo-747776


原文がスペイン語の為、読めない人が多いので、和訳しました。

以下、和訳です。



:::


女性が性被害を訴える、METOOのムーブメントは世界に広がった。
しかしこのアジアの国ニッポンでは、性暴力被害を訴えることは悪いことだとみられている。

日本はまだ男尊女卑がひどい国(※ 原文は 家長父制が強い国)。
せっかく世界の女性達に光を与えたこのMETOOのムーブメントも、日本では逆に光を奪う結果になっている。



なかじま りんこは、日本人の女性歌手だった。
レコードをリリースするとプロデューサーに約束され、そのプロデューサーから17歳の時に性暴力を振るわれた。しかし音楽業界で成功する夢を捨てるのを恐れて、告訴できなかった。
結局は性暴力により音楽界を去り、2児の母親で主婦になっていた彼女だが、ME TOOのムーブメントに触発されて、自分の恐れに向き合おうと決意した。

AFP通信(フランスの通信社)になかじまは語った。

「収録するスタジオで深夜に性暴力をふるわれた。最初に暴力にあったらその後ずっと性暴力を振るわれ続けた。
もし抵抗したり被害を報告すれば、音楽界でのキャリアが終わってしまうと恐れた。

「性暴力の体験を告発するのは日本ではほとんど不可能だ。
日本では暴力へのひどいタブーがある。
性暴力にあったら誰にも言わずに秘密にする、という傾向が日本は強い。」と。



世界ではMETOOのムーブメントが拡大し達成されていったが、日本ではほとんどインパクトがなかった。

日本は性暴力の被害者を黙らせる国だからだ。


ハリウッドのワインスタインのセクハラ事件は日本で報道されたのに、日本でおきたレイプ事件を日本のメディアはほとんど報道しなかった。似たような事件が日本でもおきているのに、日本のジャーナリストや記者達は事件を調べようともしなかった。



特にエンターテイメントやマスコミにいる女性達の性暴力については、業界にいる女性が性暴力を告発することはほとんどない。


ブロガーでライターのはあちゅうは、マスコミ業界でセクハラを告発した例外の一人だ。
彼女は自分が以前、大手広告代理店の電通のクリエイティブ局で働いていた時に、上司の岸勇希からセクハラを受けたと、去年ネットで告発した。
岸はすでに電通を退社して自分の会社を持っていた。はあちゅうへのハラスメントのやりとりが公開されて批判を受けたら、岸は公に謝罪して辞職した。



しかし、現在28歳の伊藤詩織は性暴力を告発したことにより、大きな代償を払うはめになった。
ジャーナリストの伊藤は、ジャーナリストの男性から仕事の話といわれて夕食に招かれた。そして薬をもられてレイプされた。

レイプを告発したあと、ネットではひどいバッシングの嵐をうけた。
売春婦だとかビッチだとかそういう非難のメッセージがたくさん伊藤にきたそうだ。
「命をおびやかす脅迫まできたので家族が襲われるのではないかと恐れました」と詩織は語った。

伊藤詩織は「Black Box」という本を出版し、国連本部での会見でも語った。

彼女はレイプ事件後に病院に行き検査を受けたが病院で取り調べのようなひどい扱いを受けた。
警察に行ったら、警察は等身大の人形を用いてレイプを再現しろと被害者の彼女に命令したのだ。

伊藤詩織の事件は警察が加害者を逮捕する直前だったのに、急に加害者は不起訴になった。
伊藤詩織は民事で訴訟をおこしている。



元DV被害者で女性の暴力被害者のサポート団体をたちあげた、なかじま さちが語る。

「ME TOOのムーブメントが、自分が受けた性暴力被害を告発しよう、声をあげようと少数の女性に決意させたのは間違いありません。しかし、伊藤詩織さんの告発があっても、日本ではほぼなにも変わりませんでした。まるでなにもなかったかのような状況なのです。詩織さんの事件を含めて、なぜ加害者達がいまだに逮捕されていないのか、理解できません」。



日本の法律が性犯罪者に甘いと、サポート団体のなかじまさちは批判する。
去年まで国会は性犯罪者の法律を改善しなかった。改善したといってもレイプの定義を少し広げて懲役の年数を少し増やしただけだ。

2017年に裁判を受けた性犯罪者1678人のうち、3年以上の懲役刑を宣告された者はたった 285人だ。


しかも2017年の政府の調査によると、性暴力被害者の女性のうちのたった2.8%しか警察に行っていない。
58.9%は誰にも被害を話していない。家族にも友達にも話せない。



「日本では女の身体は男に所属すると思ってる男性がまだ多く、(性行為)の同意の定義が完全に歪曲されている」となかじまさちは言う。



「もしあなたが強盗にあって警察に行ったら、「なぜ外出しないで家にいなかったの?」と警察はいわないだろう。

しかし日本では、女性が性犯罪被害にあったのを告発すると、「性犯罪にあったのはおまえのせいだ」「おまえが欲情させたんだろ」と世間がバッシングして、被害者を虐待する国なのだ。



#metoo
violencia contra la mujer (女性への暴力)
japon (日本)




::::::::


和訳は以上。


南米コロンビアの新聞なんかに書かれても別にどうでもいい、と思う人が多いでしょう。

しかーし、スペイン語圏というのは公用語だけで20か国。
そしてアメリカはスペイン語話者の人口では第2位。

スペインも中南米アメリカもスペイン語話者たちはスペイン語の報道は読めます。

アメリカのスペイン語放送と中南米スペイン語圏はお互いにリンクして番組放送してる。
どこが報道すると他の国が報道することも。


詩織さんの事件はいまや世界中あちこちでとりあげられてるから、ブラジルなど他の中南米のメディアでも報道見ました。

けど、日本は被害者の方がバッシングされて被害者を沈黙させてしまうところが異様という視点でとりあげたことなど、中南米から見ると日本が異様に見えるポイントがいくつか本文からもみてとれます。

中南米も女性への暴力事件はあります。
前に書いたようにいま中南米では女性が被害者になる殺人事件や暴力事件が大きな社会問題になっています。
ME TOOが起きる前から問題になってました。

中南米の女性への暴力はどちらかというと家庭内暴力が多いです。
特にだんなや彼氏からの暴力。

性犯罪については刑罰がかなり重いです。
前に少女が性暴行されて殺された事件の場合はコロンビアでは懲役51年と求刑されたけど、それでは軽すぎるとデモがおきてました。
ブラジルではレイプ殺人犯に最近、懲役100年の判決が出ました。

南米の国ボリビアの田舎では性暴行者が村人からリンチされたり、ブラジルだと刑務所内で殺されることもあるとききました。


つまり、女性への性暴行に対する世間の目が非常に厳しいのです。


しかも中南米は弱者には優しい社会。
妊婦さん、子連れ、高齢者、障がい者、女性には優しい社会です。

弱者をいじめるのは信じられない。
日本みたいに障がい者をいじめたり、ベビーカーを蹴る人がいたら、中南米ならまわりが激怒してボコられます。



だから性暴行の被害者をかばわずに、被害者の方をバッシングして、他の被害者も沈黙させてしまう日本はすんごい異様だとびっくりするでしょう。
加害者じゃなくて被害者の方をバッシングするのかが理解できない。

日本人は男尊女卑で女性を見下してるからとか、日本人は冷たいから、という印象を与えてしまうと思います。


それに警察がなぜそんなにレイプ被害者の女性にたいしてセカンドレイプみたいな嫌がらせをするのか、そういうところも信じられないと思います。
中南米でそんなことがわかったら警察は非難されデモがおきるでしょう。




今回のことはかなりの痛手です。

なぜかというと、いままで中南米では日本のイメージがすごいよかったんです。

欧米やアジアではすっかり評判が落ちた日本。
でも中南米では、
日本はハイテクな先進国で、日本人はまじめで勤勉で礼儀正しい。。。というイメージを抱き続けていてくれたところなんです。


ところが最近中南米で報道される日本のニュースは、

過労死、政治汚職スキャンダル(安倍政権)、そしてレイプ事件やセクハラ事件。

過労死は各国で特番があったし、安倍政権の右傾化や経済の斜陽についてはあの独裁政権ベネズエラのメディアですら特集してました。



日本と日本人のイメージががた落ちだ。

今度私がコロンビアや他の中南米に行った時に
「新聞見たよー。日本って男尊女卑がすごくて、性暴力被害にあったら被害者がバッシングされるんだってね」
って言われちゃうんですよ。

もうどうしてくれよう。
自分の国が恥ずかしい。
私が日本に代って謝らなきゃいけなくなります。



日本では、日本在住の外国人を狙った痴漢や性暴力事件もあります。

外国人は日本語できないから警察に行かないと思って外国人狙いの通りで襲って身体を触るやつがいるそう。被害者多くて在住の外国人女性達が怒ってるそうですよ。


日本の法律が性暴力被害に甘すぎるし、警察もひどいし、マスコミや世間は被害者のほうをバッシングする、ということが世界で報道されてます。

そしてそれは事実。



これ早く改めないと、日本の女性達だって心配で安心して暮らせないし、子供を持つお母さんも心配。
それに泣き寝入りしてる女性達はたくさんいる。
バッシングを見て、みせしめにされると沈黙する被害者達も多いでしょう。

それじゃ悪循環です。
しかも世界から信用がた落ち。





<追記>

これはAFP通信というフランスの通信社が世界のメディアに発信した記事をもとにコロンビアの新聞が書いた記事です。

AFP通信社のは、

https://www.afp.com/en/news/23/japanese-women-confront-grim-taboo-saying-me-too-doc-12s70w1

タイトルの「日本は性暴力被害者をバッシングして沈黙させる国」はコロンビアの新聞がつけた。

バッシングし沈黙させる国であることに焦点をあてて、前置きもコロンビアの新聞が書いている。

はあちゅうの告発などもAFPにはないし、途中にも元配信にないところもあるので、それもコロンビアの新聞が調べたり、意見を書いてる。



AFP通信が配信した元記事は、音楽業界でレイプ被害にあっていた少女の話から始まっている。


コロンビアの新聞記事を読んでいたら、なぜ詩織さんの事件は加害者が首相の友達だったことも関係してる可能性がある点を書かないのかと不思議に思ったら、AFP通信では書いていた。
なぜか知らないが、コロンビアのこの新聞ではカットされている。重要なポイントなのに。
文字数の都合もあっただろうが。




AFP通信の記事と見比べて(英文)、コロンビアの新聞でカットされていたのは次の部分。



● 音楽業界にいてプロデューサーにレイプされた なかじま りんこ は性暴力を3年受け続けて、音楽界を引退した。


●伊藤詩織は、沈黙を拒否して公に現れた


●伊藤詩織は、テレビ局の報道局にいた山口から2015年に仕事があるといって彼女をディナーに誘った。
山口は、安倍首相のお友達だった。


●山口氏によるレイプの詳細について(皆さんもご存じだろうから省略)


●レイプ被害のあとに病院に行ったが、婦人科の看護婦から「取り調べ」のような扱いを受けた。
警察に行ったら、「男性の」警官が(等身大の人形でレイプ被害を再現するように命令し、「私は床に横になり、複数の警察官が等身大の人形を私の身体の上においてレイプするように動かした。そして ”こうやってレイプしたのか? こんな感じだったのか。”ときいてきた。それは私にとってセカンドレイプのようだった」と詩織が語った。


●詩織は、告発後に命をおびやかす脅迫がたくさんきて、怖くて外出できなくなった。


●伊藤詩織の事件は日本で議論にはなったが、たった4%のレイプ被害者しか警察に行ってない国では(2015年の政府調査)、一握りの女性しか声をあげられなかった。


●日本の性犯罪に対する法律は、1世紀も前から同じだった。
レイプ犯罪を取り締まる日本の法律はなんと110年前に作られたもので、去年若干改正された。
まるでスコップで大きな山を動かすようなものである。


●タクシー運転手のさいとう かずよ (42歳)の性暴力被害。
夜間の勤務中に男性の乗客から数々のセクハラ被害にあった。
ホステスバーから出てきた男性客たちは、もてあそぼうとしてくる。
男性乗客たちは、エッチしようと言ってくるので、勤務中なのでとはねつけている。
彼女は夜のシフトを辞めた。


●日本は女性の政治家の割合が世界で最も低い国のうちの一つだ。
衆議院では女性の割合が1割しかない。
2017年ではシリアやコンゴより日本は低く、193か国中158番目のランクだった。


●暴力被害のサポート団体の代表なかじまは、国が性犯罪に対して変わるように日本の女性達が力を持って声をあげていかなければいけない、と語った。



でもコロンビアで報道されたのは結構大きいと思う。
スペイン語圏は世界にたくさんあり、アメリカにもヒスパニックが多いのでスペイン語のメディアがいくつもあり、一つが報道すると他も報道するし、スペイン語のメディアはスペイン語圏の人が目にするから。

コロンビアは後進国だと思ってる人も多いと思うけど、ラテンアメリカではメキシコとブラジルに次ぐ第三位の経済。
最近とみに好景気で、欧米人が移住や仕事探しに来てる位。