コロンビアニュースの和訳と解説。W杯でコロンビア人サポーターが日本人女性に下品な言葉を言わせた件
ワールドカップの日本 VS コロンビアの試合後にスタジアムの出口で、コロンビア人男性1人が日本人女性にスペイン語で下品な言葉を言わせて動画をUPしていた件。
私は毎日コロンビアのニュースをスペイン語で読んでるので前から知ってたのですが、日本でも昨日夕方ごろからネットニュースに載り日本のネットで騒がれています。
コロンビアとコロンビア人へ対してバッシングしてる人達もいて、コロンビア人達が心を痛めています。
今回のブログの記事は長文です。
日本ではコロンビアに対してイメージが悪いので、短文だと誤解がおきることもあるので長文でしっかり説明しました。
コロンビアのニュースやツイッターなどのスペイン語の和訳もしました。
今までわかってることを解説します。
コロンビア戦でコロンビアのサポーターの何人かがおこした問題行動には、
コロンビア人が日本人にスペイン語で下品な言葉を言わせて動画を撮った件。
コロンビア人が、スタジアムには酒持ち込みが禁止されているのに酒を持ち込んだ件があります。
これはコロンビアでのニュース。
● 酒を持ち込んだサポーター
ロシアのW杯ではスタジアムはスポンサーのバドワイザー以外の酒販売禁止で持ち込みも禁止。スタジアム周辺の店も酒類販売禁止。
コロンビアの問題サポーターは、双眼鏡に酒を隠してスタジアムに持ち込み仲間たちと飲んでる写真をUPして炎上しました。
ニュースに顔写真が出て、一人の身元が判明。
コロンビアの有名企業アヴィアンカ航空が、従業員の一人だと判明したのでわが社の価値観と原則に反するから解雇した、と昨日発表。
Rechazamos toda actuación que vaya en contravía de nuestros principios y valores. Esta es la acción puntual de Avianca Holdings con relación al comportamiento del empleado de @Avianca_Cargo que violó la ley y normatividad dentro del evento Mundialista. pic.twitter.com/aDtEWEXqsJ
— Avianca (@Avianca) 2018年6月20日
コロンビアの世論は、アヴィアンカの判断は正しい、という意見。
この男は悪ふざけの為に、名前も顔もさらされて国中から非難された上に、失職してしまいました。
コロンビア当局の協力要請により、ロシアはこの男をW杯のスタジアムに出入り禁止、罰金、15日間の社会奉仕活動という制裁を課されました。
● 日本人に下品な言葉を言わせたサポーター
日本人の女性と男性に下品な言葉を言わせた、コロンビア人のサポーター。
スタジアムの出口で日本人にスペイン語で下品な言葉を言わせた動画をUPして大炎上。
スペイン語がわからないのをいいことに、スペイン語の下品な言葉を言わせておもしろがって動画を撮ってます。
コロンビアでは、「コロンビア人が言語の障壁を利用して、日本人女性をengaño(だました)」と報道されました。
日本では「売春婦」と言わせたと報道されてましたが、「Perra」はビッチ、 「Puta」は色目つかうビッチ、または 尻軽女、みたいな感じだと思います。
それについて詳細な解説は、この記事の最後にまとめてあります。
中南米は女性をリスペクトする社会。
女性を侮辱することは許されない行為です。
動画がUPされたら、すぐにSNSで大炎上。コロンビア人達から非難ごうごう。
そしてコロンビアのメディアで報道されました。
<コロンビア政府の対応>
試合が終わって5時間後にはコロンビアの外務省が緊急声明を発表。
動画がUPされて数時間なので、すごい迅速な対処。
Comportamiento de hinchas que hacen repetir mensajes groseros en español a dos mujeres japonesas no solo degrada a la mujer, insulta a otras culturas, nuestro idioma y a nuestro país. Inaudito maltratar a una mujer aprovechándose de las barreras idiomáticas.
— Cancillería Colombia (@CancilleriaCol) 2018年6月19日
和訳します。
↓
「日本人女性にスペイン語で下品な言葉を言わせたコロンビア人サポーター1名は、女性を侮辱した。それだけではなく、他の国の文化と、我々の言語であるスペイン語と我が国を侮辱したのである。言語の障壁を利用して女性を侮辱するのは虐待である」
「国代表のジャージを着たサポーターはコロンビアの5千万の国民を代表しているのだから、他者をリスペクトし品行方正でなければならない。あの悪行に対して外務省は非難する。あれはコロンビアの文化や言葉や人種を代表しているものではない。」
コロンビア政府と外務省はかんかんに怒ってますね。他のサポーター達に対しても行動を慎むように警告しています。
<コロンビア警視庁の対応>
続いてコロンビア警視庁も緊急声明。
Comunicado a la opinión pública... pic.twitter.com/WgIurapyWH
— Policía de Colombia (@PoliciaColombia) 2018年6月20日
↓
和訳です。
「性別や人種や文化や言語や宗教の差別といういかなる人権侵害を犯した者をコロンビア警視庁はゆるさない。ロシア警察に協力を依頼した。SNSでこうした言動を掲載した者は処罰する。警官が犯人なのだとフェイクニュースをSNSに流した者についても捜査中。」
<コロンビアのメディアの対応>
まずコロンビアのサッカーのネットニュース
http://fiebredefutbol.co/la-hinchada/colombia-perdio-en-la-cancha-y-en-las-tribunas/
この記事を要約して和訳すると
日本人サポーターがゴミ拾いする動画とコロンビア人が手伝うツイートを紹介。その一方でコロンビア人の数人のサポーターに悪質行為があった。
コロンビア外務省が緊急声明を発表。
日本人はさすが秩序と礼節のある国だし、我々は見習うべきだ、
と言ってます。
この記事で、日本人がゴミ拾いをしていたのはすばらしいとほめていました。
Como todos los mundiales. Aplausos para Japón 👏👏👏 pic.twitter.com/8EAPT1b0VD
— 365Scores (@365ScoresApp) 2018年6月19日
次に、日本人のサポーターのゴミ拾いをコロンビア人のサポーターが手伝って一緒にゴミ拾いをして交流できた、という日本人のツイートも紹介。
コロンビアサポーターが素晴らしいかった。
— ちょんまげ隊長ツンさん@トモロシ (@tsunsan) 2018年6月19日
何人もからコングラチュレーション言われた。
僕らの青袋取って、ゴミも一緒に拾ってくれた。
逆の結果で、僕らはできるだろうか?
サッカーの奥は深いね pic.twitter.com/4gE7HOb6Up
次に昨日の朝のコロンビアの大手テレビ局のニュース。
トップニュースはこの日本人女性を侮辱したコロンビア人サポーターの件でした。
Estos son los titulares de la primera emisión del miércoles 20 de junio. Bienvenidos a #NoticiasCaracol https://t.co/yqNEZKp2QB pic.twitter.com/LtL1hDAFep
— Noticias Caracol (@NoticiasCaracol) 2018年6月20日
他にも重要なニュースがたくさんあるのに、全国ニュースのトップがこれ。
コロンビアの他の大手TV局の朝のニュース。
Violencia simbólica o invisible: expertas hablan sobre la actuación de hincha colombiano que hizo que japonesas repitieran insultos #NoticiasCaracol https://t.co/yqNEZKp2QB pic.twitter.com/SVVWZlrqkp
— Noticias Caracol (@NoticiasCaracol) 2018年6月20日
↓
コロンビアの首都ボゴタで、心理学者とカウンセラーを呼んでこの事件について話をしてもらっている。
内容を和訳すると、
TVのレポーターが「日本人に言葉による暴力事件をおこしたり、酒を持ち込むなどの問題をおこした悪質サポーターが誰なのかを当局がいま探している。コロンビア外務省はすでに緊急声明を発表。SNSでも炎上し、悪質サポーターは国外追放すべき、という声もあがっている。
日本人女性に下品な言葉を言わせた件についてどう思いますか?
心理学者が「あれは 暴力事件である。コロンビア人は女性をああいう風に無礼に扱う国民なのかと誤解される。国は重要問題として解決すべきである」とコメント。
次に心理カウンセラーにニュースレポーターが「W杯にいけるならそれなりのお金がある人なんだろうが、なぜあんな暴力事件を?」ときいたら、カウンセラーが「暴力をふるう人には階級や貧富は関係ない。どんな社会階級にある人でも暴力をふるう人はいる。
笑いながらひどい事を言うのは、笑って言った事なのでジョークだから大丈夫だろと自分を正当化し、さらに相手を傷つけるから、バイオレンスとしては重い」とコメント
コロンビアのメディアはその後もこのニュースの続報を報道しつづけています。
<コロンビアの司法長官の対応>
Autoridades rechazaron actos de mal comportamiento de colombianos en Rusia durante el Mundial de Fútbol https://t.co/LfPYjHwHjx pic.twitter.com/Bqu0xUgdso
— Noticias RCN (@NoticiasRCN) 2018年6月21日
↓
和訳すると
司法長官が発言。 「これは絶対に許せないことである。国としても世界に対して非常に恥ずべきことだ。社会のコントロールをしていかねばならない」 と発言。
<ロシア警察の対応>
コロンビアの警視庁から要請を受けて、ロシアの警察が動きました。
ロシア警察は、問題のサポーター達をスタジアムに二度と入れないようにFIFAから発行されたIDを取り消す。そして500ドルの罰金を科すと言いました。
問題をおこしたコロンビア人サポーターを現在捜索中で、見つけたら国外追放にするとのこと。
ロシアの警察が国外追放すると言ったニュースに対し、コロンビア人の読者は
「それは正当な判断である」とコメントしていました。
<コロンビア人からの反応>
試合があった翌朝おきてSNSを見たら、コロンビア在住のコロンビア人の友人や知り合いが、たくさんこの動画をUPして、女性に対し無礼な事をして許せないと書いていたのでこの事件をしりました。
女性に対してこんなひどい仕打ちをするとは、女性への侮辱だと激怒。
友人のSNSでのシェアでついてるコロンビア人達からのコメントには
「なんてひどいことをするんだ。でもコロンビア男性がみんなこういうやつばかりではない。」
「女性差別だ」
「コロンビアの恥だから、もう二度と国に帰ってくるな」
という反応。
ネットやSNSでのコロンビア人の反応は。。。
「あいつらが誰なのか、みんな拡散して犯人を捜しそう」とSNSに書かれ、
あんなのありえない、コロンビア人の男性にはあんな人はまれにしかいない、恥ずかしい、ばかやろう、女性に対して何をするんだ
、国に二度と帰ってくるな、という声が多かったです。
なかには「あの男の身元がわかったら、母親か姉妹を引き出して、あの女性への侮辱的な言葉を言わせてやろう」という怖いコメントも。
No todos los Colombianos somos tramposos, ladrones y vulgares, los buenos somos más y tendré defectos pero esos noo. Esos personajes no me representan, son bandidos como los que hay en cualquier país y merecen una sanción ejemplar
— Alex Castiblanco (@AlexCastiblanc0) 2018年6月20日
↓
これの和訳
「この男はひどすぎる。すべてのコロンビア人が泥棒で詐欺師で下品ではない。どの国でもアホはいるが。こんな犯罪者は制裁を受けるべきだ」
@CancilleriaCol en nombre de la gran mayoría de colombianos pedimos a @CancilleriaCol ofrecer disculpa al pueblo japonés por la ofensa del hincha desadaptado que en un vídeo maltrata a una mujer japonesa a la salida del estadio. Igualmente pedimos sanción ejemplar.
— Alvaro Cote (@alvaro_cote) 2018年6月20日
↓
和訳すると
「コロンビア人として、コロンビア外務省にお願いします。あのコロンビア人のサポーターが日本女性にした無礼に対して、コロンビア外務省は日本と日本国民に謝罪して下さるようにお願いします。そしてあの男には制裁を課してください。」
Lo que debería hacer @CancilleriaCol es quitarle el derecho a visa para esa gente, no mas mala imagen del país por culpa de unos desadaptados!
— Camilo C. Rodríguez 🇨🇴 (@CClavijoR_248) 2018年6月20日
↓
和訳は
「コロンビアの外務省はあのあほ男のパスポートとビザを没収すべき。こんなアホ男のせいで、コロンビアの悪いイメージがまたついてしまった。これ以上恥を国外でばらまいてほしくない」
Que vergüenza deben multarlos y deportarlos.
— Oasis (@OasisdeHades) 2018年6月20日
↓
和訳は
「なんて恥ずかしい。あの男は罰金刑にして追放すべきだ」
Hay que castigar ese tipo de atropellos contra la mujer.Llegando al país castigarlo sin poder volver a salir del país por un termino de 20 años.@CancilleriaCol
— ♡Colombianisima3🍃♡ (@Colombianisima3) 2018年6月20日
↓
「女性に対する女性差別と人権侵害の罪で罰するべきだ。コロンビアに帰国したら、今後20年は国から国外に出られなくした方がいい」
Pero como así que devolverlos...Siberia esta mas cerca...Allí deben quedarse picando piedra. Mejor dicho que decida el imperio Nipón. Si a Siberia o una cárcel en el sol naciente.
— Democracio88 (@democracio88) 2018年6月20日
↓
「コロンビアに帰国させずに、ロシアのシベリアの刑務所送りにすればいい」
女性に対する言葉による暴力と侮辱に怒り、それからコロンビアの評判を落として国と国民に恥をかかせたという怒りが強いです。
<日本は礼儀正しい国なのに、コロンビアは…、という論議>
今コロンビアのネットやメディアでおきている論議。
それは日本は秩序があり国民は礼儀正しく道徳観がある国民なのに、コロンビア人はサポーターがあんな悪行をするなんて教育がなってない、という論議。
たとえばこれ、ツイッターのコロンビア人のツイート
Los japonés recogían la basura del estadio mientras los colombianos traficaban trago y le enseñaban a decir Gonorrea, puta y perra a hinchas japonesas. Por eso es que Japón se recupera de un tsunami en 10 meses y Colombia no supera el asesinato de Gaitan en 70 años.
— Anshie✨ (@Alejaosorio_96) 2018年6月20日
↓
これを和訳すると
「日本人は試合後にゴミを拾ってたのに、コロンビアサポーターは問題行動をおこした。こんなんだから日本は津波被害の10か月後には復旧できたのに、コロンビアは政治家のGAITANが暗殺されてから70年も復活できないんだよ」。
コロンビアでは、前に日本の福岡で道路陥没事故がおきたときも写真をあげて、日本は1日で陥没事故を復旧させた。だがコロンビアの首都ボゴタでは高速道路の工事に何年かかってるんだ、
というふうに、コロンビアの行政を非難するひきあいに使ってました。
日本という国は秩序があるし、日本の国民は勤勉で礼儀正しく道徳観にあふれている。
それに比べてコロンビアやコロンビア人は。。。ということで、自国と自国民への批判が出ています。
今朝のコロンビアのニュースでは、日本の小学校で放課後に便器を手でみがく子供達の動画がながれて、
日本人はこのように道徳心が強い。このメンタリティが日本社会を作っている。日本のこういうところを我々は見習わなきゃいけない、と報道してました。
便器を手で磨かせる話はやりすぎだということで日本で大批判あったから、それは紹介しないでほしいんだけど。。。
けどコロンビアはひどい国だけど日本スゴイ、日本スバラシイ、と日本を賞賛しまくってる感じではないです。
どっちかというと日本をほめながらも、自分の政府や自国民について批判したい人が多いんだろうと思います。
私はコロンビアとメキシコに住んでいたのですが、
中南米では、日本が敗戦後に焼け野原から経済大国になれたのは日本が勤勉で生産性が高いからだ。マナーを守る秩序ある社会だ、とよく言われましたよ。
「日本はすごいクリーンな国だから、コロンビアと違ってまったく政治家の汚職なんてないんでしょう」。
「日本は規律が厳しくてみんな法律を守るんでしょう」 とよくいわれました。
中南米は、世界の中でも日本に対してかなりイメージがいいです。
ステレオタイプなイメージもあるんだけど、南米は日系人が多いので日系人ががんばって南米社会で高く評価されてるからかと思います。
中南米には、日本人みたいに勤勉にならないとうちの国はいつまでたってもよくならないんだ、おまえらもっと働け、と叱咤激励する人達もいます。
「日本人はみんなが幸せなんでしょう?」ときかれたので、
私が「それは人によるし、日本は自殺率が高いよ」と答えたら、
「日本人はメンタリティが違うので、なにかあったら責任をとってHARAKIRI(切腹)するからでしょうね」とコロンビアで言われました。
「それにコロンビア人は勤勉だ。コロンビア人の方が日本人より勤勉だと思う」、とコロンビアに住んでる日本人の多くがいいます。私もそうコロンビアにいた時に思いました。
え、ラテンアメリカ人ってなまけものなんじゃないの? と驚く人が多いでしょう?
メキシコシティもコロンビアの大都市は、会社や学校の始業が7時というところが多い。通勤ラッシュがひどいので、ラッシュアワーが5時。
コロンビア在住の日本人によると、コロンビア人はすごい働くし生産効率もいいしまじめなのでもっとコロンビア人を雇うべきだと言ってたくらいです。
<日本人への謝罪>
日本に対して申し訳ないと言ってるコロンビア人が多いです。
自分がやった過失ではないのに、自分達がなりかわって謝罪しています。
これはコロンビアにある日本大使館の前に、コロンビア人の若者達がかかげたメッセージ。
👏🏻🇯🇵🇨🇴 Grupo de jóvenes colombianos se une para pedir perdón ante la Embajada de Japón en Colombia por lo sucedido en el Mundial de Rusia https://t.co/BXPS3y0hKi pic.twitter.com/2gnTUEnCUa
— Noticias RCN (@NoticiasRCN) 2018年6月20日
日本語でまず 「ごめんなさい」 と大きく書き、 スペイン語で「コロンビア人として謝ります。ごめんなさい」と謝罪。
コロンビアのTVニュースによると、コロンビアの首都ボゴタにある日本大使館には、一般のコロンビア人達から謝罪のメッセージや手紙がたくさん届いているそう。
「ごめんなさい。コロンビア人がみんなああいう人ではないのは理解してください」と。
日本大使館を訪れて謝罪のメッセージが書かれた寄せ書きを渡して謝罪するコロンビア人達。
Colombianos ofrecieron disculpas a Japón por el mal comportamiento de algunos hinchas en #Rusia2018 https://t.co/BXPS3y0hKi 👏🏻🇨🇴🇯🇵 pic.twitter.com/L5MPVLXiUK
— Noticias RCN (@NoticiasRCN) 2018年6月21日
コロンビアで日本語を教えている日本語教師の方のツイート。
スペイン語がわからない日本人女性&男性サポーターにスペイン語で下品な言葉を言わせてふざけているコロンビア人男性のビデオが拡散され、私の周囲の多くのコロンビア人がその行動に悲しんでいます。。。。でもそんな人ばかりではないことを日本の皆さんに知っていただきたいです。 https://t.co/uyfNojIPVm
— Kaori Hatano (@KaoriHatano) 2018年6月20日
この日本人教師によると、前にコロンビアのメデジンで日本人の殺害事件のあとも、メデジンではコロンビア人達が「私の国の人のせいでこんなことに。ほんとにごめんなさい」と号泣し、キャンドルやお花がたくさんささげられてたそうです。
だけど日本のネットでは、あの事件後にコロンビアとコロンビアに対するバッシングがひどかった。コロンビアは世界一の危険国だとかコロンビア人は全部犯罪者だとか非難されてましたよね。
メデジンは劇的に治安がよくなったので、あの2016年の1年間にメデジンで強盗殺人にあった外国人はあの日本人一人だけなんです。
なんかコロンビア人が謝ってるという話をきくと、こちらも胸がいたくて泣いてしまう。
コロンビアにいた時に、コロンビア人は誇り高いし、日本以上に恥と礼節を知る文化の国だとコロンビアに住んで思いました。
どの国にも悪い人はいます。
でもいい人や優しい人もたくさんいるから。
コロンビアに行った日本人には、コロンビア人から親切にされた、コロンビア人は優しいと言う人が多いですよ。このごろはコロンビアに旅行行ったり留学する日本人が増えたので。
私がコロンビアに住んでたから、コロンビアの肩を持ちたいんだろうと考える人もいるでしょう。
でも私はコロンビアに対しては LOVE & HATEなのです。好きなところもあるが、嫌いなところもある。
コロンビアの悪いニュースも和訳してネットにUPしています。だからコロンビアに関しては中立な目で見てるつもりです。
<コロンビア人の他のサポーター>
問題行動を起こした悪質サポーターもいるが、他のコロンビア人サポーターみんなが悪いわけではない。
Autoridades rechazaron actos de mal comportamiento de colombianos en Rusia durante el Mundial de Fútbol https://t.co/LfPYjHwHjx pic.twitter.com/Bqu0xUgdso
— Noticias RCN (@NoticiasRCN) 2018年6月21日
このニュースの動画の途中からあるように、コロンビア人サポーターがロシアの路上でコロンビアの音楽をかけて踊ってロシア人や観光客を楽しませています。
試合後にスタジアム近くにもうけられた、サポーターたちの交流フェスティバルでは、コロンビア人サポーターが日本人サポーターやロシア人達やアルゼンチン人などとみんなで手をとって踊ったそうです。
それに参加した日本人サポーターのツイート
試合のあとはFan Festという、音楽フェス的な会場で飲みながら踊ってました。
— アキラ@FIFA公認サポ (@akira_ca) 2018年6月19日
サッカー見に来たはずなのに、野外フェス、快晴、しかも林の中という最高のシチュエーションでしたw pic.twitter.com/EpFz7ZyPVM
別の日本人サポーターのツイート
この状態の中で応援するのは大変だった。帰りも少し怖いなーと思っていたが、会場の通路で数え切れないコロンビアサポーターに握手を求められる。
— 松田公太 (@matsudakouta) 2018年6月19日
泣いている人もいるが、「Good game!」「Good luck!」と殆どが陽気に語りかけてくる。なんて素晴らしい人たちなんだ。 pic.twitter.com/uw8mlhjmCn
サッカーなどのスポーツは、言葉も文化も越えて、世界で通じ合えるもの。
みんなで仲良く楽しくするのがいいですねー。
<コロンビアとコロンビア人への日本でのバッシング>
今回の事件で、日本のネットではコロンビアとコロンビア人へのバッシングをたくさんみかけました。
たとえば
コロンビアは、マフィアと麻薬と売春婦の国だから、こんなことは普通なんだろう。
コロンビアは世界一の危険国で文明がない後進国だから、あんなの気にしなくていい。
コロンビアのサッカーは前にオウンゴールをした選手が怒ったファンから銃殺されたんだから、そういう国なんだよ。
選手を射殺するようなガチのファンは国外には出ないからな。
などなど
コロンビアとコロンビア人に対して、たくさん非難が書いてありました。
日本でいわれているコロンビア像は、もう何十年も前のステレオタイプなイメージでもう古すぎます。
コロンビアといえばパブロ・エスコバルといわれますが、麻薬王パブロ・エスコバルは1993年にコロンビア警察によって射殺され、メデジンカルテルもなくなりました。
もうコロンビアでは過去の話。
若い世代は経験してない時代です。
W杯でオウンゴールをして殺されたAndres Escobar選手の事件は1994年。
まだパブロ・エスコバルが殺された翌年でコロンビアの治安が悪かった時代です。
(どうやらパブロ・エスコバルはコロンビアのサッカーにもお金出してたみたい。)
マフィア2人によってあのサッカー選手は銃撃されたんですよ。
コロンビアが負けてサッカーくじで胴元が損したからみたいです。
犯人のマフィア達は20年の懲役刑になりました。
これが犯人の写真。
↓
コロンビアのメデジンの日本人殺害事件のあとも
南米コロンビアは世界一の危険国、コロンビアは子供でも機関銃を持ってる、コロンビアはその辺に死体がごろごろ転がってる、
というデマがたくさん日本のネットに流れました。
コロンビアに行った日本人達はみんな思ってたイメージとリアルが違うのにびっくりします。
日本で危険危険といわれてすっごい緊張してたのに、行ってみたら平和でひょうしぬけしたという人が多いです。
今のコロンビアはもう変わりましたよ。
日本の敗戦後の昭和20年と高度経済成長期の昭和45年の25年間の差くらい、コロンビアもこの25年で変わったんです。
コロンビアの治安は劇的に改善し、ラテンアメリカ第3の経済国になっています。
世界行くべき旅行先の第2位に去年世界で2回も選ばれ、観光客が急増。
また欧米からの移民や出稼ぎが急増しています。昔植民地支配されていたスペインからも出稼ぎが来ています。
これがコロンビアの首都。
ちなみにいま世界一殺人率が高いのは(紛争地以外では)、独裁者のせいで国が危機に陥っている隣国のベネズエラです。今はコロンビアじゃなくてベネズエラが破綻国家で、コロンビアにベネズエラからの避難民を100万人も受け入れてる状態です。
コロンビアのことについては、私が昨日書いたコロンビアとサッカーの記事と、前に書いたコロンビアの今の状況の記事を見てください。
↓
リンクをクリック
「コロンビアとサッカー。コロンビアチームの曲やダンスも解説。ワールドカップ」
最近はNetflixのドラマの「NARCOS」の大流行で、またコロンビアといえばパブロ・エスコバルといわれるように。
コロンビア人はエスコバルのことを持ち出されることにもううんざりしています。
コロンビアはイメージが悪いので、何も悪いことをしてないのに空港では別室で取り調べされることもあります。
私だってコロンビアから他の国に行くと、空港の入管で「なぜコロンビアにいたのか」としつこくきかれたり、スーツケースあけて荷物を検査され「このコーヒーはなんだ。コカインだろう」といわれたこともありますよ。コロンビアへの偏見が強いのがわかりました。
コロンビア人といえばすぐマフィアと売春婦と言われたり差別されることを悲しんでいるコロンビア人は多いです。
コロンビアは貧困国の失敗国家でコロンビア人は貧乏なのに、なぜスタジアムが黄色のジャージが多くてコロンビア人が4万人も観戦に来れたのか、という話も日本でかなり出ていました。
日本のネットでは、コロンビアは貧困国、危険国、破綻国 なのに、なぜW杯に行ける金があるのかと書かれてました。
あんまりコロンビアへの偏見が強すぎる。
私が前に書いた、この記事読んでください。
↓
「いいかげん南米コロンビアのイメージを更新しようよ」
日本でコロンビアへの偏見が強いのは、日本ではコロンビアの情報が少ないからだと思います。
コロンビアに行った事がある人やリアルを知ってる人の発信がまだまだ少ないから。
だから私はコロンビアの事をよく書いてるし、これからも発信していきたいと思います。
日本の東京三菱銀行が書いたコロンビア経済のレポートです。
2014年前のデータを使ってるのでちょっと古いですが、
リンク先から、「全文紹介」をクリックしてください。
http://www.murc.jp/thinktank/economy/analysis/research/report_151106
これをまとめると
”南米で2014年に経済成長率が最も高くインフレ率が低かったのがコロンビア。
南米随一のコロンビアの経済の堅調さに投資家の注目が集まっている。
2013年は経済成長率は5%、2014年は4.6%。
治安が劇的に改善し、経済は好調。
賃金が上昇。雇用所得環境好転。
所得の高い階層の比率が高まってる。中所得層が急増した。
購買力も上昇。
コロンビアは一度もデフォルトがなく、国際金融市場での信頼はアルゼンチンよりもはるかに高い。
金融セクターの健全性。銀行の財務的安定性が南米でトップクラス。たとえ金融危機が発生したとしても銀行破綻リスクが低い。
コロンビア経済の主力輸出品は原油である。
コロンビアにはいま外国からの投資が急増している。
世界銀行の「ビジネスのしやすさ」ランキングでコロンビアは中南米で最高ランク。中南米で最も良好なビジネス環境を提供している。
一方、南米の大国といわれるブラジルやアルゼンチンのランキングはずっと低くビジネス環境が劣悪。(アルゼンチンよりコロンビアが南米の大国になっている)。
またコロンビアは人口が5000万人という人口の多さであり、購買力が高い。
市場としてもポテンシャルに富んでいる。”
コロンビアは中南米の経済大国なので、欧米から巨額な投資がいき、コロンビアに多数外資企業が進出してます。
でも日本企業はコロンビアのイメージが悪いので、南米への投資が遅れて絶好のビジネスチャンスを失したんだけど。
このようにコロンビアは貧困国じゃないです。
産油国で資源国でリッチ。
でも、ただたんに貧富の差が天と地の差ほど大きい。
富裕層は日本人が想像できないほどリッチ。
私がコロンビアで行ったスタジアムでの巨大コンサートのS席は65万円だったけどすぐ売り切れてました。
それにコロンビアはサッカー国。
サッカーに人生をかけてる人たちが多いんです。
これはブラジル在住の日本人のツイート。
いや日本人にとってサッカーは数ある趣味の中の一つだけど、あいつらサッカーに命かけてるから。 https://t.co/3dsp0A4i29
— ブロンドさん (@loira294) 2018年6月21日
W杯に行く為に貯金してる人達だって結構います。
それに今回のW杯はコロンビアの出場が決まったとき、コロンビア人達には決勝のチケットまで買った人が多い、ということをコロンビアのニュースで見ました。
コロンビアが決勝までいくと確信してのこと。
ラテンアメリカに住んでたのでわかるけど、ラテンアメリカ、特に南米はサッカーだけが人生みたいな人が多いですよ。
赤ちゃんも歩きだしたらボール蹴らせるし、子供の頃からサッカーやって。
ブラジルのサッカー代表選手にはスラムや貧困層出身が多い。
コロンビアもハメス・ロドリゲスは貧しい地域の出身。
南米でも、サッカーで成功すればリッチで有名になれます。南米はすんごい階級社会で特にコロンビアとブラジルが階級差がひどいので、サッカーか音楽じゃないとなかなか貧困層からのしあがれない。
W杯の南米予選は、ワールドカップより難しいと言われてます。
枠が少なくて、4枠のうち2枠はブラジルとアルゼンチンにとられるからあとの2枠を他の国が争うわけです。
今回出場できたペルーは36年ぶりの出場で、国が大騒ぎで祝日が増えたそうです。
初出場した中米のパナマは、出場が決まった日の翌日を大統領が急に祝日にしました。
だから、中南米の国にとってはW杯にせっかく出場できたし、次はいつあるかわからないんだから失敗は許されない、みたいなところがあってさらに熱狂するんだと思います。
南米大会のコパアメリカの時に私はコロンビアにいたけど、コロンビアの大都市ではすごい渋滞してたのに試合が始まる時間になったら道路がすきました。
他の南米の国では試合がある日に飛行機の乗務員が試合を見たいから飛行機が遅延したそうです。
メキシコでは、クラブチームのどこを応援するかでけんかになってたし。
私がいたコロンビアの地方都市ではサッカーのクラブチームの試合の後に、サポーター同士がけんかして死傷事件もおきてました。
ラテンアメリカの人達にとってのサッカーがどんだけ重要なのかわかりました。
コロンビア人がみんなサッカーファンではなくて、フーリガンがひとにぎり、熱狂的なファンが3割位、普通のサッカーファンが4割位。あとはワールドカップやコパアメリカなど国代表の試合があれば見るけどふだんはサッカーに興味がない人達が数割って感じですかね。
私のコロンビア人の友達もサッカー興味ない人がなんにんもいます。
けどワールドカップは4年に1度のお祭りなのでね。
<1人の罪で国と国民バッシング>
コロンビア人達は国のイメージをよくしようとがんばってきました。
だけど今回の件がおきたので、またコロンビアがまた世界からたたかれると心配しています。
今回の件に関してコロンビアのリアクションが過剰すぎると思った方も多いでしょう。コロンビアとコロンビア人が今までどのくらいバッシングを受けて傷ついてきて、またバッシングされて国の評判が悪くなると心配してるかということがわかるかと思います。
コロンビアでの日本人殺害事件の時もコロンビアとコロンビア人のバッシングがあまりにひどすぎたので、私は悲しくて1か月位落ち込みました。
ペルー人による女児殺害事件が日本でおきたときも、日本に住んでるペルー人がバッシングされペルー人の子が石を投げられたりしてペルー人達がおびえていました。事件後は日本在住のペルー人達が「ごめんなさい。でもペルー人全員が悪い人じゃない」と千羽鶴を持って謝罪にいってました。
日本では、一人が罪を犯したらその犯人の国と国民全体を非難することがよくあります。
だけど悪い事をした人の罪を問うべきで、その国や国民全体の罪を問うべきではないと思います。
日本で、イギリス人のルーシーさん殺害事件や英会話講師の女性の殺人事件があった時に、イギリスが日本や日本国民をバッシングしなかったですよね。 日本人はパールハーバーの国だからやっぱり日本人はみんな残忍なんだ、とかは言ってませんでした。
日本に仕事があると言われて日本にきたコロンビア女性がだまされて、売春婦として2年も働かされ、コロンビア大使館に保護されて助かった実話の本がコロンビアで出版されたのが日本でもニュースになりました。だけど悪いのは日本の反社会的組織であり、日本や日本人が悪いとはいってませんでした。
コロンビアでは熱狂的なサッカーファンの中にはフーリガンみたいな人もいます。
国内リーグはフーリガンいますが、ワールドカップに観戦に行く人には柄の悪いサポーターは少ないはず。でもなかにははめをはずしてああいうバカな行動をする奴もいるんでしょう。
コロンビア人は、「日本は秩序がある国だし日本人は礼儀正しくマナーがいい」、とほめてくれています。
なので、コロンビア人全体を責めずに、悪いことをしたあの当人だけを批判した方がいいのではないかと思います。
<女性への暴力事件として扱い>
コロンビア人が日本人女性に下品な言葉を言わせた件は、コロンビアでは 「女性の虐待」 「暴力事件」 「人権侵害」 として当局から扱われています。
コロンビアでは、女性に対して男性は敬意をもって接します。
長年知ってるコロンビアにおけるファミリーみたいな一家のおじさんは、私に物を届けてくれてもアパートの玄関から中には絶対に入りません。私は別のコロンビア人の女性達のアパートに下宿してたので一人ではなかったんですけどね。
私がバスに乗る時は男性の乗客がタラップで手をとって支えてくれたり、男性が席譲ってくれたりしました。
それにコロンビア人は人前で声を荒げたり怒鳴ったりすることはほとんどないです。
なにか問題があってもなるべくにこやかに事を収めようとします。もし街なかで大声がきこえたら、みんながふりむいて何か事件がおきたのかとびっくりして見ます。
日本ではよく街なかで怒鳴ってる人を見るから、そこは大きな違いです。
コロンビアは職場でのセクハラを取り締まる法律があります。セクハラは罪なのです。
しかも男女両方に対するセクハラが罪。
ちなみにコロンビアは同性結婚が合法。
憲法に照らし合わせた結果、同性結婚を禁止するのは違憲だと判断したからです。
私がコロンビアで通りを歩いていたら前にいたカップルが口論しはじめました。そしたら警官数人が飛んできて、いきなり男の方を後ろ手に取り押さえ、男のIDを取り出し犯罪歴などを調べていました。DV(ドメスティック・バイオレンス)の疑いがあるとして警察が取り調べたのだそうです。
それにコロンビアでは性犯罪や子供の殺害事件は重罪。
去年は30代の男が7歳の女の子を殺害した事件があり、犯人は懲役51年を求刑されたが、51年だと生きて出所する可能性があると市民が怒ってもっと重罪にしろというデモがおきました。
女性が被害者の暴力事件や殺害事件は女性差別問題として対策する、と政府が言っています。
お隣のブラジルでは今年、女性をレイプ殺害した犯人が懲役100年になりました。
それに日本人のなかにも、日本語がわからないと思って外国人に卑猥な言葉を言わせて嘲笑してる人達がいるそうです。
私の外国人の友人達が、私が知らないような卑猥な日本語を知ってたのでなぜそんな言葉知ってるのかときいたら、会社で日本人のおじさん達が教えてくれるそうです。
日本にもバカッターとかおでんつんつん男とかいますよね。
アメリカ人の有名ユーチューバーで、日本の青木ヶ原樹海の遺体をうつしたローガン・ポールとか。
おもしろいと軽く考えたり、炎上させてビュー数を稼ごうとして愚行をする人はどこの国でもいて問題になってるので。
日本は来年はラグビーのワールドカップのホスト国で、再来年は東京オリンピックがあります。
そこでもし今回のような事件があった時に、コロンビアの政府や警察や司法局のように日本政府や警察は対処することができるでしょうか。
日本は今から対策を練っておいたほうがいいかもしれないですね。
今回の事件をおこしたコロンビア人に対して、コロンビア人とコロンビア政府はたぶん厳しい制裁を課すると思いますよ。
コロンビアという国はそういう国だから。
日本に怒られたから動くのではなくて、自分の国の倫理観や社会価値観として絶対に許せないし法律違反だから、迅速に対応し厳しく処分するのです。
問題のサポーター達の人生は転落するでしょう。
日本人サポーターが激怒してコロンビアに抗議する必要はまったくないと思いますよ。ご心配なく。
<日本人女性に言わせた下品な言葉とは?>
コロンビア人が日本人女性に下品な言葉を言わせた件。
日本では「売春婦」と言わせたと報道され、 「売春婦」と言わせるなんてありえないと怒ってる人が多いです。
コロンビアは売春婦で悪名だかいから、売春婦と言わせたんだろうと怒る人も。
でも私は 「売春婦」ではないと思います。
どういう言葉を言わせたのか?
ここでひとくちスペイン語のスラング講座をします。
あの男が日本人女性に言わせた言葉は
"yo soy perra"
"mas puta pa donde"
PERRAは犬のメス。
けど人に使った場合は「ビッチ」。
PUTAは、男に色目を使うビッチ、尻軽女、あばずれ、という感じ。
売春婦はスペイン語では 「Prostituta」が正式。
売春婦はPUTAもあります。
けどPUTAはスペイン語圏では一般の女性に使われる時は、色目を使うビッチ、尻軽女という感じ。
たとえば、フィエスタの時に自分のだんなが他の女性を見てたとしよう。
女性を見てたのはだんななのに、ラテンの女は嫉妬深いので、女性の方に「あの女、人のだんなに色目を使って。PERRAめ」と言う。
そういうふうに使われる。
私が大好きなコロンビアの有名ユーチューバーのコメディ。これに ”PERRA” がたくさん出てくるのでニュアンスがわかると思います。
カップルがPCでSNSを見ている。
「ねえ、ちょっとこのSNSの写真見て」
「なに? その女だれ?」
「彼女は私の女友達。 どんどんビッチ。この写真は彼女の前の写真。でもだんだん時期が経過するにつれて… どんどん肌の露出度が多くなっていくのよ。ビッチでしょ? この写真も見て、ほんとにこの女ビッチだよね」
「ほんとにビッチだね」
(彼氏が一人で写真を見ていて)
「うわ、この写真ほんとにビッチ。 このビッチ。。。。。。。 超イイ女だな~ 」
「やっぱねー。そういうと思ったわ。それが私が知りたかったことなの!」 と彼女
もうひとつ。
PERRAがタイトルに入ってるラテンの曲。
「Que Perra Mi Amiga」 La Montra
タイトルは、私の女友達ってほんとにビッチ、という歌。
曲のジャンルがDEMBOWなので、たぶんカリブのドミニカ共和国の曲かな。
ビデオの内容は
普段はたいした外見じゃないのに、仕事で顧客から預かったロングヘアのウィッグをかぶって厚化粧して金持ちがいるところにでかけて、何人もの男から声をかけられてる女友達に、「あの女むかつく、このビッチめ」 みたいな感じ。
PUTAの方は、
私はサルサというラテンのダンスを踊っていて、それは男女のペアダンス。
日本人が多いラテンのクラブでは、一曲ごとに相手を替えて踊るのが一般的。
でも日本在住の南米人が多いクラブでは、夫婦や恋人同士のカップル、または家族や友達同士のグループでやってきてグループ内だけで踊るのが一般的。他のグループの女性に踊ろうかと声をかけたらそのグループの男から殴られる。
だから南米人が、日本人が一曲ごとに相手を替えて踊ってるのを見たら「一曲ごとに違う男と踊ってニコニコしてさ、PUTAだね」と言うこともあり。
次はPUTAという歌詞がたくさん出てくるレゲトンの曲。
「SIENTE」 J King & Maximan, Ñengo Flow, Jamsha, Arcangel, Randy & Mas
レゲトンの有名歌手も二人参加してるこの「SIENTE」という曲は、日本語にすると「感じて」
サビの部分が yo se que tu ere bien puta
これは、「俺は知ってる、おまえはPUTAだってことをな」
という意味なんだけど、おまえは売春婦 という意味じゃないです。
クラブで出会った女性とレゲトンと踊ってる。身体を密着させて踊る女性に対して、セクシーでイイ女、感じて踊れ、そんなに密着して踊っておまえはPUTAだな。もっと情熱的に踊れ、もっと腰振れ、みたいな歌です。
だいたいわかったでしょうか。
だから日本人に言わせたのは、「売春婦」ほどの強い意味ではなくて、「ビッチ」 と 「色目つかうビッチ」または「尻軽女」 みたいな感じです。
<追記>
6月22日
「“エスコバルの悲劇”の再来懸念 日本戦PK献上のコロンビア代表MFにSNS上で殺害予告」
というニュースが出て、また日本のネットでコロンビアの事を悪く言う人が増えるのか。。。と憂鬱です。
これってコロンビアではほとんどニュースになってません。
ネットの検索で見つかったのがこちらのニュース。
コロンビアのラジオ局の。
「Rastrean IP de autores de amenazas contra Carlos Sánchez」
日本戦でレッドカードになったカルロス・サンチェス選手にツイッターで殺すと脅迫があったという話。
カルロス・サンチェスはツイッターのアカウントを持ってますが、そこのコメント欄にそういう書き込みがあったそうです。
けどツイッターはご存知のように匿名で誰でも書き込めるし、スペイン語人口は英語と中国語の次に多いので誰が書き込んだのかわかりません。
コロンビア人じゃないかもしれないですよ。
コロンビア警察のサイバー担当が犯人の特定を急いでいるそうです。
コロンビア警察は厳しいので、犯人が特定されたら脅迫罪で捕まるか、他国ならその国の警察に協力依頼するかと思いますよ。
日本のニュースのソースは、イギリスのミラーというタブロイドです。
ミラーはサンとかと同様で、宇宙人と対面のようなデマとか、エロ写真とかが出るような、イギリスでは最底辺のタブロイドです。
エスコバルの悲劇の再来か、と日本のニュースがあおってドラマチックにしてるのが笑える。
そんなにコロンビアを危険国だし、サッカーで選手を殺す国と思いたいんですね。
上で説明したように1994年にオウン・ゴールで殺された選手は、マフィアから殺されました。サッカーくじで損したからです。
日本でいわれてる、ファンが激怒して殺したというのは、デマです。
<追記2>
上記のカルロス・サンチェス選手への脅迫。
23日のお昼にやっとコロンビアのテレビニュースに出ました。日本のネットニュースより遅い 笑。
.@FiscaliaCol investiga para identificar a la persona que amenazó por redes sociales al futbolista @carlossanchez6 tras su expulsión en el partido contra Japón pic.twitter.com/CeJq93QntR
— Noticias RCN (@NoticiasRCN) 2018年6月23日
これを見ると amenzoと書いてあります。
脅迫。
殺害予告というのは、「何月何日におまえを殺しにいく」というのが予告。
脅迫は「おまえなんか殺してやる」 というようなもの。
殺害予告と脅迫は違うんだけどね。
日本のメディアはドラマチックにしたかったんでしょうね。
このコロンビアのニュースによると、
サンチェス選手のツイッターのコメント欄に
”夢を提案する” と書いてあって
その下に
1994年のアンドレス・エスコバル選手殺害事件のリンクがはられていた。
これだけです。
コロンビアの警察が、書き込んだ犯人を捜査中とのこと。
これもあわせて読んでみてください。
私が書いたブログ内の関連過去記事:
「コロンビアのサッカー代表のカルロス・サンチェス選手殺害の危機という報道に反論」
「サッカーW杯のコロンビア代表のダンス」
「コロンビアとサッカー。コロンビアチームの曲やダンスも解説。ワールドカップ」
「コロンビアの料理」
「南米コロンビアのドリンクについて」
「南米コロンビアのスイーツ」
「南米コロンビアの料理」
「中南米ではサッカーの試合にご注意」
「コロンビアは世界一危険な国じゃないよ、コロンビアへの誤解へ反論」
「netflixの「narcos」のパブロ・エスコバルのドラマにうんざりするコロンビア人」
「南米コロンビアの方が日本よりいいと思った点」
「いいかげん南米コロンビアのイメージを更新しようよ」