「Despacito」歌詞の和訳とよみがな Luis Fonsi ft Daddy Yankee (ジャスティン・ビーバー版も)
Luis Fonsi が Daddy Yankee と歌った「Depacito」。
今年の1月リリースされ、世界で大流行中!
昨日(4月17日)、ジャスティン・ビーバーがremixで参加したバージョンもリリースされました。
世界のアイドル、ジャスティン・ビーバーだから各国で話題沸騰!
原語の歌詞はスペイン語です。英語も一部あります。スペイン語と英語から全部和訳します。
歌詞のよみがなものせますよ。
以下でオリジナルのスペイン語バージョン、ジャスティンのremix バージョンの和訳とよみがな、そのあとに曲の解説をします。
今回は盛りだくさんだから最後まで読んでくださいね。
1.オリジナル(スペイン語)
「Despacito」Luis Fonsi ft. Daddy Yankee
歌詞の和訳
スペイン語の歌詞から日本語に和訳しました。
動画にしたのでこちらを見て下さい。
このスペイン語の歌詞を解説します。
歌詞見てなんとなくわかったでしょうが、この曲はsensual(性的、セクシャル)な曲です。その視点で歌詞を見ていけば、歌詞がなにを意図してるのかわかるとおもいます。
性的という意味のセクシャル(sexual)は英語で、スペイン語ではセンシュアル(sensual)っていいます。sensualはセクシャル とはちょっとニュアンスが違うと私は思います。だから以下はセンシュアルと書きますね。
この「Despacito」はもともとはレゲトンじゃなくてラテンポップスだったのですが、あとでレゲトンのダディが参加してコラボになったので、歌詞がもっとダイレクトになりました。
好きな女の子にダンスを踊ろうと誘ってる。
一緒に踊りながら二人の体がくっついていって
踊りながら二人の息があっていき
情熱的にメイクラブしたいよ
というような歌。
まだ踊ってもないし体も合わせてないんですよ。
踊ろうよと誘ってる段階。
あとは主人公の男性のイマジネーションと希望です。
歌にいくつかセンシュアルな箇所がでてきます。
スペイン語の歌詞の最後の方に、「vamo a hacer en pueroto rico」 とあります。プエルトリコで「hacer」しようよ、ということなんですが、hacerは「する」という動詞。
これは hacer el amor(英語の make love) のことでしょう。日本語できれいにいうと「愛を交わす」。つまりエッチすることなんだけど、たんに「やる」んじゃなくて相手に愛情があるエッチのこと。
amorはlove(愛)の意味のスペイン語です。
pegandoというのは、pegarは「くっつける」という言葉でノリで紙をくっつけるとかに使います。
でもレゲトンでpegarがでてきたら、男女が腰を密着させることです。
レゲトンでペレオという踊り方があるんですが、男女が密着してエッチに踊るレゲトンの踊り方になります。
ペレオは犬の交尾からきた言葉です。でもペレオで踊ってるのは中南米でも、冗談でフィエスタでやってる以外はみたことないですけどね。you tubeで検索すればありますよ。
たとえば、J Balvinの「Ginza」っていうレゲトンの曲の歌詞に
「Vamos a pegarnos como animales 」というのがあります。このpegarnosもpegarの派生系です。
アニマルのように激しくバンバン密着して踊ろうぜ っていう歌詞の意味なので、スペイン語圏の中高年の一部からGinzaの歌はお下劣だとひんしゅくかってましたよ。
でもdespacitoのダンスはペレオまでいきません。もうすこしソフト。
けど、曲が進むとだんだん話が進展していきます。
「despacito」のビデオには、3分前後に男女が腰を密着させてるとこありますよね。
歌詞にでてくる、お気に入りの場所を教えてっていうのは、女性がよく行くカフェとかの場所ではないでしょうね。お気に入りの場所を僕に教えてなら「僕に」になるけど、ここでは「僕の口に教えてよ」だから、身体の部分でしょうね。
ただ、この曲はナンパしてやり逃げのワンナイトではないと私は思います。
ナンパしてワンナイトでやり捨ての歌をよく歌うのは、ピットブル。ピットブルはキューバ系だけど、アメリカ生まれのアメリカ人のラッパーです。
「despacito」はピットブルみたいな、相手が誰でもかまわない、やれればいい、というダイレクトなヤリ目的のナンパの歌とは違います。
最近コロンビアのレゲトンシンガーのmalumaが「cuatro babys」で下品すぎるし女性蔑視だとたたかれて放送検閲にひっかかって放送禁止になりました。放送の検閲もあり、ラテン音楽界もちょっと敏感になってるみたい。
この「Despacito」について、ラテン音楽界がLuis Fonsiに
「この歌はセクシー(エッチ)ですよね」とインタビューしたら、
「確かにかなりsensual(セクシャル)ではあるけど、女性蔑視や下品という一線は越えてない」とLuis Fonsiが一生懸命弁護してました。
なお、歌詞の和訳の部分だけ読んだり、ネットに私の歌詞の和訳一部が引用されて、この歌はたんなるエロい歌 だと勘違いする人が続出してるようです。
最後にラテン音楽におけるセクシーさについて解説してます。それがわからないとこの歌は理解できないので、特にこの記事の最後の章の部分はぜひ読んでください。
歌詞のよみがな
上記の歌詞によみがなをつけますね(カタカナで)。
Luisとdaddy yankee はプエルトリコ人で、プエルトリコのスペイン語はカリブ弁だから語尾があんまりきこえないんです。ラップの部分は早いですよね。なので歌詞の字面を見て1つずつ単語のよみがな書いてると合わないんです。みなさんが一緒に歌いやすいように、歌手が歌うように耳でききてかきとりました。
スペイン語の歌詞を見たら音が同じで韻を踏んでるのがわかるとおもいます。
歌詞のよみがなはもう一つのブログに移動しました。
こちらをクリック
http://diafeliz.jugem.jp/?eid=3
このカタカナのよみがな見ながら私も歌ってみたら歌えたから大丈夫だと思います。
ぜひこれで、ビデオ見ながら歌ってみてください。
サビだけでも覚えたらクラブでかかったときに歌えますよ!
この「Despacito」の曲が好きなところは、ラップするときに韻を踏んでる語尾がかなりリズミカルなとこです。
”パシート、パシート、スァベスァベシート”
ホップ、ステップ、ジャンプ みたいなに、ぽんぽんはずんでる感じで心地がいいですよね。
重低音のレゲトンではなくまったりチルアウト系なんだけど、かかれば自然と体が動く感じの曲です。
ミュージックビデオについて
このミュージックビデオいいですよね。なんとこのビデオのプロジェクトにluisは2年も費やしたそうです。
luis fonsiもダディ・ヤンキーもプエルトリコ人。ビデオは2人の故郷のプエルトリコで撮影されました。
プエルトリコはカリブの島です。アメリカのマイアミから一番近い島がキューバで、キューバの隣がドミニカ共和国とハイチで、その隣がプエルトリコです。
プエルトリコは独立国でしたが、100年ちょっと前にアメリカ領土になりました。アメリカの自治領ですが、スペイン語圏です。
撮影に使われた場所はプエルトリコの首都サンファンの旧市街やラペルらなどです。
luis fonsiはプエルトリコのいろんな色やサボール(味わい)を映像で表したかったそう。
ビデオの監督もプエルトリコ人、ビデオに出てくるきれいな女性は2006年のミスユニバースのプエルトリコ代表 Zuleyka Rivera(現在は女優とモデル、29歳)。
オールプエルトリコのメンバーで、自分らの国のプエルトリコを表現したんですね。
「ハッピーとムーブメントとセクシーさにあふれてて、人々がこれをきいたら歌いだし踊り出しちゃうような曲にした」とLuisが語ってました。
まさにそういう感じですね!
このビデオにはプエルトリコのきれいなビーチや歴史ある旧市街、街角でドミノで遊ぶおじいさんたちがでてきます。ドミノはキューバやプエルトリコなどでは毎週末遊んでいる麻雀みたいなゲームです。
そしてみんなで楽しく踊る。このビデオの最後の太鼓とアカペラで合唱部分が私は好きです。
私はプエルトリコに行ったことあるんだけど、こういうの見てるとまた行きたくなっちゃいますねー。
2.ジャスティン・ビーバーのバージョン
そして、昨日リリースされた話題のジャスティン・ビーバーとのremixバージョンがこれ
ジャスティン・ビーバーのremixバージョンの歌詞
ジャスティン・ビーバーのバージョンの歌詞は、最初から英語で始まっていて、途中はオリジナルのスペイン語の歌詞に歌ってますが、一部英語の歌詞に置き換えられているところがあります。
ジャスティンは英語圏の人だから、英語のパートが増えたんですね。
しかもジャスティンのファンは未成年が多いので18歳未満が見ても大丈夫なように、私はこの歌詞の和訳をもっとソフトにしました。
ジャスティン版の歌詞の和訳をしたので、それを動画にしました。
歌詞のよみがなの動画もつくりました。
オリジナルの歌詞のよみがなは別ブログには記載したけど動画は作ってないんです。こちらの動画を参照してください。
ジャスティン・バージョンの解説
さて、ジャスティン・ビーバーのバージョンでつけくわえられたのが冒頭の英語のパート。
また最後のところはスペイン語のオリジナルの歌詞が英語に変えてある部分があるんですが、オリジナルとは語句を変えてしまったところがあります。
オリジナルの歌詞はスペイン語です。
でもジャスティンのバージョンは英語とスペイン語のmixです。
英語mixバージョンの方はスペイン語の歌詞と同じ部分が大半なんだけど、英語で歌ってるところはオリジナルバージョンにはないからつけくわえたところです。
最初にジャスティンが英語でソロで歌って、そのあとオリジナルのスペイン語でも歌っています。
despacitoとはスペイン語で、英語にするとslowlyです。ゆっくりと、という意味です。
オリジナルの曲はかなりセクシーですが、ジャスティンのバージョンの英語の部分はニュアンスがオリジナルとかなり違います。
英語圏のアイドルなので、恋愛ものっぽくしたんだろうとおもいます。彼のファンには未成年が多いので英語の部分は特にきをつかわないといけないからでしょう。
ジャスティン版はかなりソフトでしょう?
これならお子さんに見せても大丈夫ですね。
歌詞の最後の方はオリジナル・バージョンではプエルトリコのビーチでエッチしようよっていう歌詞なので、「これがプエルトリコのやりかたさ」とかダンスを踊るに変えちゃったところがすごいなと思いました 汗。
それにジャスティンの声がセクシーでいいですね。
Luis Fonsiだけだとアダルトになっちゃうし、ラッパーのDaddy Yankeeが入ったことで元気で健康的でリズミカルになり、ジャスティンでかわいくてまったりしたセクシーさが出た感じ。
英語の部分は、スペイン語みたいにリズミカルではないですけど。
世界のジャスティン・ビーバーが入ったので世界中でこの歌が話題になって、ジャスティン効果もありこれからすごい勢いで売れるとおもいますよ~。
ジャスティンのファン層はラテン音楽のファン層と違う人たちが多いと思うので、そういう人もラテンの音楽を知ってくれたらいいなと思います。
ジャスティンがスペイン語でも歌ってることにびっくりしました!
ジャスティン・ビーバーは英語圏の人でスペイン語を話せないので、スペイン語の発音がまどろっこしい。だからかわいくきこえます。
その辺をダディ・ヤンキーの歯切れのいいスペイン語のラップと聞き比べてください。
ジャスティンがスペイン語で歌ったことに中南米人やスペイン語圏の人たちがめちゃ反応して、昨日ネットにたくさん書かれてました。ジャスティンがんばってスペイン語の歌詞歌ったんだね、って。
ジャスティンは世界のアイドルだから昨日はこの話題がネットのトレンドワードに入っててました。
なかには
”たぶん今頃アメリカ人が「Despacito」ってなんだろうと辞書をひいてると思うよ 笑”
などとツイートしてる中南米人もいました。
コロンビアのニュースによると、ジャスティン・ビーバーに歌詞のスペイン語の発音の指導をした人がいるそうです。
コロンビアのカリ出身の歌手でJuan Felipe Samperという人。
あー、コロンビア人が教えたんだ。だから柔らかい発音になったのかな。
ジャスティンがライブで「Despacito」を歌った時にスペイン語の歌詞間違えちゃったり、本人も自虐ギャグで「あれなんだっけ? パシート モヒート(モヒートはラムのカクテル)」とジョーク言ってました。その動画をupしてましたよ。
レゲトンのNicky JamとJ Balvinからもジャスティンの「despacito」のものまねをインタビュー番組でしてました。
「デスパーシーロ」
「パシーロ パシーロ」
「レゲローン」(← レゲトンのこと)
とものまね。。
3.ラテンの曲におけるセクシー表現について
ラテンのダンスはほとんどが男女のペアダンスです。
サルサもメレンゲもレゲトンもバチャータも男女ペアで踊ります。
(アルゼンチンのタンゴもそうですよね。)
キューバの伝統ダンスのルンバみたいに、男性から女性への求愛ダンスもあります。
日本のクラブで踊られてるダンスミュージックやクラブのダンスは一人で踊ることが多いけど、日本のラテンのクラブに行くとみんな男女で踊ってますよ。もちろんレゲトンもピットブルもペアで踊りますよ。
そこがラテンのダンスが他のジャンルのクラブと違うところ。
それにラテンでは日本でイメージするほど、メイクラブはいやらしくない。
たんなるヤルだけのエッチじゃなくて、愛がある場合ね。
スペイン語では、やるだけのエッチはsexo (=英語のsex)
愛のあるほうは hacer el amor(英語のmake love)
で使い分けてます。
特に恋人や夫婦同士はカップルなんだからセクシュアルな関係でもあたりまえとラテン人は考えます。
愛情が深いから、身も心も、というのがラテンの考え。
愛のあるエッチはやらしくない。だからラテンの歌の歌詞でも愛情がある二人の関係の場合は、歌詞がいくらセクシーでもロマンチックな歌詞だとしてとらえられます。
ただし、malumaの「cuatro babys」は金で愛人を4人囲ってエッチ三昧、という内容の歌でしかも4人の女性のうち2人が不倫だったのでNG。
この「Despacito」はセクシャルな歌ではあるけど、好きな女性への話なのでセーフ。
ラテン系はceloso(嫉妬深い)ので、自分の恋人や伴侶の浮気には非常に厳しいです。中南米人系とつきあうとまじで嫉妬深い。
まあ、不倫の歌も多いけどね。レゲトンだけじゃなくて、バチャータもサルサにも不倫の歌結構あります。
スペイン語のラテンの曲はセクシーな表現やアモール(愛)やロマンチックな表現がいっぱいでてくるから、ロマンチックな表現があんまりない日本語に訳すのはとても大変なんです。まだ英語に訳すほうが楽だけど、英語もロマンチックな言語じゃないから英訳されたものを見ると、オリジナルとはニュアンスが違うと違和感があります。
英語圏の人たちがこの「Despacito」の歌詞を英語に訳したサイトを見てみたんですが、英語圏の人はどんなラテンの曲でもセクシーやエッチな部分を除去してたんなる恋愛ものに変えてしまう傾向が強いように思います。ただの誤訳かもしれないけど、もしかしたらセクシーな歌詞を理解できないのかもしれません。
英語のポップスは”君が好きさー、君に夢中”みたいな恋愛モノが多めなので、先入観が強いのかな?
私がブログでいろんなラテンの歌の歌詞を和訳したり「このラテンの曲はセクシーな意味が入ってる」と書くと、そんなことはありえないと拒絶する日本人の読者もときどきいます。反論してくる方達もいます。
その方の考えは尊重します。
でも翻訳する場合には、自分がどう思うかじゃなくて、作者の意図を考えないといけないのですよ。私は歌詞にあるように和訳してるだけなのです。その点をご了解ください。
この「despacito」の曲に関してはLuis Fonsi本人が「この歌はかなりセンシュアル(性的な)でセクシーな曲だ」と断言してます。だからセクシャルな曲じゃない、というのは違うと思います。
ロマンチックなサルサやバチャータの曲にだって、センシュアルな歌詞かなり多いですからね。
けどラテンではだいたいの曲は、ネガティブなセンシュアルじゃない。
セクシーはポジティブ というところが、ラテンのポイント。
ラテンの女性も男性もセクシーさを前面に押し出してますしね、服装やメイクにはじまって。
ラテンの歌を味合うためにはラテンのカルチャーを知ったほうがいい、と私は思います。そのポイントがわかると、ラテンの曲を何倍も楽しめるとおもいますよ!
また、私のこの歌詞和訳の一部分だけがネットで引用されて、「Despacito」はたんなるエロい曲、エッチすぎる曲、とか書かれてるのをよく目にします。
けどこのブログの記事を最後まで読んでもらえればそういう歌ではないとわかるはずです。
「Despacito」の歌詞を和訳したサイトは結構ありますが、私の「DESPACITO」の和訳がエッチだといわれます。確かに私の訳が一番エッチです。
そこで南米在住の南米人の20代の友人達に、「この歌をこういう風に解釈して和訳したけど大丈夫だろうか? 特に”プエルトリコのビーチでエッチしよう” の部分は大丈夫か?」ときいてみました。
そしたら、自分達もその部分はそういう意味でとってるし、歌の解釈は間違ってないよ、とのことでした。
私が「スペイン語のhacer el amor (愛のあるエッチ)はやらしくなくてラテンではロマンチックな感じだよね」って南米人達にきいたら、「そうだよ、ロマンチックなことだよ」との返事。
日本では「やらしい」っていわれた、と南米人達に言ったら、
「えーーーなんでーーー。日本と文化が違うからかな。なぜ夫婦とか恋人の愛のあるエッチがいやらしいと思うんだろう。変なの~」と驚いていました。
※追記
7月20日
マレーシア政府が「despacito」の曲は歌詞が性的すぎるし、「despacito」のタイトルが女性の体をゆっくり触るという意味なので、イスラム教の戒律に反してるということで、「despacito」を放送禁止にしました。
政府系の放送では一切かかりません。
以前からマレーシアの野党が、スペイン語の流行歌には歌詞が性的で下品すぎのが結構あると政府に指摘してたそうです。
だから言ったのに。。。私のブログ読んでくれればいいのに 笑
『Despacito』関連のブログ内の過去記事は :
「 Despacitoの歌詞の和訳とよみがな Luis Fonsi ft daddy yankee(ジャスティン・ビーバー版も)」