Life and Dance in Latino Style

ラテン音楽、スペイン語圏のラテン音楽とダンス。サルサ、レゲトン、バチャータ、メレンゲ等。中南米関連。ラテンファッション。スペイン語。その他の音楽関連

自殺を考えてる君へ (by Don Omar)

今朝は山手線が人身事故でとまりました。なんと13歳の少女だったらしい。

今夜のワールドニュースを見ていたら、一年間に世界で自殺する人は100万人もいるときいて驚きました。


そこでDanza Kuduro で人気になったDon Omarが数年前に歌ってた「ADIOS(アディオス)」というレゲトンの曲を思い出しました。

この歌は自殺を考えてる人に対して、DONがメッセージを送っています。



「ADIOS」 DON OMAR





もう数年前からこの曲についてブログに書くかどうか悩んだんだけど、日本は自殺率が世界のトップのほうにあるし、今日の2つのニュースにショック受けたのでやっと書くことにしました。



タイトルは「ADIOS(アディオス=さよなら)」で恋人への別れの曲という普通のテーマなんですけど、ビデオにテロップとして(歌詞とは関係ない)メッセージがでていますよね。
このテロップ(字幕みたいの)が自殺を考えてる人とみんなへのDon Omarからのメッセージです。

曲が始まる前にドン・オマールからメッセージが出てます。

そのテロップをビデオから書きおこして、それを日本語に翻訳してみますね。。。。


:::



すべての人は自分のいのちを絶つ能力を持って生まれてきている。
(すべての人には、自分のいのちを絶つ能力がある)


(たくさんの人々が、自殺を一つの解決法だと考えている)


(もう別の出口は存在しないのだと信じてしまう)


(毎年、100万もの人が自殺の道を選ぶ)


(もし落ち込んでしまって、もう別の道に出会えないときにね)



(助けを探して!)


(誰でもいいから他の人に話して)


(なにか解決法はある)


(私たちはひとりぼっちじゃない)

(敗北したと絶望しても、君は敗北者ではない)


(助けを探して)


(誰かに話して)


(40秒ごとに世界のどこかで誰かが自らの命を絶っている)


(彼らは孤独になりたくないんだ)

(彼らは自分の心配や恐れを言い表せて自分自身に出会えることができるシェルター(避難所)を探しているんだ)


(あとどのくらい君は我慢するんだ?)


(一年間の殺人件数よりも自殺件数のほうが多いんだよ)

(人生を愛している私たちには責任がある)

(汝の隣人を自分のことのように愛せよ)  ← 注: モーゼの律法より引用

(よいことを信じ実行する者は、永遠の豪邸の庭を持つことができる)← 注:イスラム教のコーランより


(人生の絶頂期にあったとしても、もし愛という精神を持っていなければあなたは何者でもない)
← 注:聖書より


(君はいま悩み苦しんでる人を誰か知っているか?)


(もし知ってるなら、助けてあげてくれ。 苦しんでる人たちを見捨てるな)


(だってみんなほんとは生きたいのだから…)



::::::

ほんとに深いメッセージがあってこころにうったえてきますね。



日本は経済大国だからリッチでみんな幸せなんだろう、って中南米に滞在してたときにラテンアメリカ人たちからいつも言われました。でも中南米の多くの国が世界自殺率ランキングの最下位のほうにあります(つまり自殺する人が少ない)。

上の歌詞にもあるけど、落ち込んでしまうとほかの道が見えなくなってしまって絶望してしまうことはあると思う。
特に日本は小さいころから人生の目標や道を決めさせられたり枠がせまいところがあるから、もしAという道で失敗してしまったときに、AがだめならBがあるさ、という風には思えず、もう俺はダメだ、と追い込まれてしまうのかもしれないですね。それは自分も日本人として日本社会に生きてきたからわかります。
けど中南米やほかの国でも同じように落ち込む人はいます。

でも本当はそれは社会やまわりの誰かにうえつけられた価値観であって、あなたという人の価値を決めるものじゃないと思う。
一歩外に出れば違う価値観で生きてる人たちもいるし。
絶望しないで一歩離れて眺めてみたら、もっと違う価値観がみえてくるかもしれない… と思います。



ところで、Don Omarはこのごろは「Danza Kuduro」とか軽いダンスミュージックで超売れてるので、最近のDon Omarしか知らない人には私が以前書いた「Don Omarは軟派になっちゃったの?」 というトピックが理解しがたかったるかもしれません。
でもDon Omarは前はこんな曲を歌ってたんですよ。DONはレゲトンキングで(ラテンのレゲトンというスペイン語ヒップホップみたいな音楽の中でKINGといわれてる)、以前は渋ーいレゲトンを歌ってたんです。私も渋い頃のDONのファンでした。
この「Adios」というビデオのコメント欄にはファンたちから、このような歌を歌ってた頃のDONに戻ってほしい、という声がたくさんあがってました。

今のダンスミュージックスタイルが悪いわけじゃないけど、彼の渋くて深いレゲトンをまた聞きたいです。


ブログ内関連過去記事:
「電車がとまって考えたこと」
「ストレスって何?」
「傷ついてるあなたに贈ります」

ブログ内Don Omar関連過去記事:
「Don Omarは軟派になっちゃったの?」
「danza kuduroの歌詞」(Don Omarの「Danza Kuduro」)
「Danza Kuduroの踊り方と歌詞の意味」(Don Omarの「Danza Kuduro」)