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アカデミー賞受賞、メキシコ人映画監督のギジェルモ・デル・トロ監督のインタビューの和訳

メキシコ人のギジェルモ・デル・トロ監督(Guiellermo del Toro)が、アカデミー賞で最多13部門でノミネートされていた『シェイプ・オブ・ウォーター』で作品賞、美術賞、作曲賞、監督賞を受賞しました。


その映画「The Shape of water」を作った理由について語ったインタビューを和訳しました。


日本語では「ギレルモ」と報道されてますが、名前はスペイン語で「ギジェルモ」というのが本当の読み方です。スペイン語でも英語のニュースでもギジェルモといってます。

インタビューは英語だけど、ギジェルモ監督はメキシコ移民で英語ネイティブじゃないので、正直聴きづらかったですが厳しいですがなんとかききとりました 笑。
スペイン語で話した方が私にはわかりやすかったと思うが、アメリカの協会なのでしょうがない 苦笑。


概要を訳します。

原文はこのビデオ。




インタビューでは2つ質問してますが最初の質問がなかったのでリンクさせました。




問: 

映画「the Shape of Water」は絶大な人気ですが、なぜこの映画を作ったのでしょうか?

映画はなぜこんなにヒットしたのでしょうか?





ギジェルモ監督の答え:


私もそうなんだけど。みんな人生にはダンジョン(迷路)に入ったみたいな時があって、底に落ちてしまってもうはいあがれないように感じる事があるでしょう。
「自分の人生はこんなはずではなかったのに」と思う。

でも落ち込んだ時に映画を見て、その映画が癒してくれることがあるだろう。
それがコメディだろうが、マイナーなミュージカルだろうが、気持ちがあがることがある。
自分はそういうふうに、人をヒーリングするような映画をつくろうと思っている。




(この映画が大ヒットした理由は?)

この映画を作った理由は、私はずっと窒息しそうな思いだっただからだ。
いまの世界があまりにひどくて、息がつまって、この映画を作らざるにはいられなかったんだ。

だっていまこの世の中は対立と恐怖の世界になっている。
恐怖に陥って、他の人達を指さしてバッシングしたり、思いやりや同情心がなくなっている。

グローバル化やネットやSNSで世界が近くなってつながったような気もする。
でもその一方で、感情をむきだし争ったり、シニカルに冷笑してなきゃいけないような風潮になってしまった。

私はそういう世界にはもう息がつまりそうなんだ。

権力者たちはイデオロギーで世界をコントロールしている。
でも権力者が言うイデオロギーは実は虚構(ファンタジー)なのだ。
権力者は、「あいつらは危険だ」と人々を扇動して、ヘイトさせている。

権力者がその虚構を人々に信じさせるのに一番簡単なのはなにか?

それは
「あいつらがお前らの人生を台無しにした」
「あいつらのせいでお前らは生活が苦しくなった」
「あいつらがおまえをダメにした」
「あいつらがおまえのタクシーもとった」という風に、
標的を指さしてヘイト心をおこさせるんだ。
ヘイトする対象はなんでもいいんだよ。お上が好きなターゲットでね。


そんな憎悪の世界に息がつまったから、私はこの映画を作ったんだ。

みんなが一緒になれるものをね。 
声もあげれず、表に見えないし、名前もわからない市井の人達。
差別されておびえている人達。

みんなが一緒にいられる居場所としてね。








この監督さんはメキシコ人です。

メキシコ人だけど、もう昔アメリカに家族で移民していて今はメキシコ系アメリカ人です。

いろんなインタビューを読むと話がかなり哲学的で、やっぱりこの人のベースにはメキシコ人的な考えや哲学が強いなと思います。
彼の話をきくとすごい感動します。

ちょっと東洋哲学に通じるものもあるのよね。