Life and Dance in Latino Style

ラテン音楽、スペイン語圏のラテン音楽とダンス。サルサ、レゲトン、バチャータ、メレンゲ等。中南米関連。ラテンファッション。スペイン語。その他の音楽関連

Rebelion (コロンビアサルサ)

私の大好きなコロンビアサルサの歌、REBELION を紹介します。
コロンビアのサルサの巨匠 Joe Arroyoが歌っています。

この曲はよくクラブやパフォーマンスでかかるので、耳にしたことがある人も多いかと思います。
スピーディでダンサブルなので、速いコロンビアサルサにもぴったりだし盛り上がる曲でしょう。

「REBELION」 JOE ARROYO

以前、「コロンビアサルサの大御所」 で歌手のJoe Arroyo については紹介しました。

昨日、「ハイチの地震」 で、ハイチはスペイン人の侵略で原住民が絶滅させられ、代わりに黒人奴隷が酷使されたという話をしましたが、それにちょっとつながってくる話…。

このビデオを見ると、なんとなく歌の内容が分かるような気がしませんか?

"La historia negra" (黒人の歴史)って最初に叫んでるし…。

実はこれ、アフリカから奴隷としてコロンビアに連れてこられた黒人たちのことを歌ってるんです。
それを知るとなんか複雑な気分ですね。。。

(後記:スペインがラテンアメリカの大部分を侵略したときに、ラテンアメリカ国々への奴隷を運んできた港がコロンビアのカルタヘナだったそうです。奴隷貿易の中心地だった。そしてコロンビアのエメラルドや金、ペルーのインカの金など奪った財宝をスペインに送るときも、このカルタヘナから送り出したとテレビで見ました。カルタヘナは今はコロンビアでもトップの観光地で美しいコロニアルの街並みで有名ですが、そんな悲しい歴史があるのですね。
そして、この歌を歌ったJOE ARROYOはコロンビアでトップのサルサ歌手ですが、彼は黒人でカルタヘナ出身です)

この歌の歌詞ですが、

日本語に翻訳してみますね。
(追記:このトピックを書いたときにも翻訳しましたが、今のほうがスペイン語やコロンビアについてもっと分かるので、もう一度翻訳しなおしました (2012年))

歌詞は別ブログに移動しました。
こちらをクリックしてください。

http://diafeliz.jugem.jp/?eid=9

特に最後の部分の、「黒人はそれを知っている」「そして君ね」
という部分。

コロンビアにはもちろん今も黒人が多いです。
黒人が多いけど、人種差別は残っています。
もしかしてスペインの統治時代だけじゃなくて、現代のコロンビア社会の人種問題(黒人系への差別)へも問いかけをしてるような気がします。

たとえばコロンビアの最貧の県、チョコ県は、元大臣が「チョコがなくなればいいのに」と失言しました。
大都市で街で職質されるのは、貧困層の黒人の方が多いという話もきいたことがあります。
黒人がかなりたくさん住んでる国なのに、いまだに人種差別が残ってるのは現実。

だから、それは黒人達はみな知っている。
そして君もね。
黒人を殴るな

という最後のフレーズが出てきたんじゃないかと思います。

ちなみに最後のこの部分は他のサイトではカットされてました。
でもここが多分Joe Arroyoが言いたかったポイントじゃないかという気がします。

(追記: この記事を書いた当時も訳したんですが、その後コロンビアに行ったしスペイン語もUPしたので、もう一度見てみたらもっと深い意味の歌だと分かったので和訳しなおしました)

ブログ内関連過去記事:
「ハイチの地震」
「メレンゲの歴史」
「Viva Mexico」 (メキシコのアステカ帝国がスペインにほろぼされた)
「コロンビアサルサの大御所」
「ラテン音楽のicon, joe arroyo 死去」
「Joe Arroyoのお葬式」