Life and Dance in Latino Style

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ハイチの地震

ハイチの大震災にはショックを受けました。

天災もあるけど、鉄筋が入ってないコンクリートなどひどいつくりの建物が目立ち、人災のほうが大きいのかもしれません。

ハイチの住民のインタビューを聞いていたらなんて言ってるか分からなかった。よく聞いてみたらフランス語でしゃべっているのです。
そういえば、ハイチの首都のポルトープランスもフランス語っぽい響き。

ハイチは、ドミニカと同じ島にある隣国で、ちょうどキューバとドミニカにはさまれています。
キューバもドミニカもスペイン語なのに、ハイチはフランス語なのに違和感をおぼえました。

日本にはドミニカ人がたくさん住んでいますが、以前ドミニカ人が「ハイチ人が嫌いだ。ハイチは軍事政権が長かったしすごく貧しい国だ。だから国境を越えてハイチ難民がドミニカにたくさんやってくる。そして彼らはドミニカで泥棒や強盗したりしてドミニカの治安を悪くしてる。だから嫌い」と言ってたのを思い出しました。

ニュースでもハイチは、中南米の最貧国で、空港もインフラももともと整備されてないので、それが救援を妨げ被害を拡大していると言います。



ハイチの歴史を調べてみたら、ほんとに悲惨な歴史なんですね。

もともとは島に太古から原住民がいたんだけど、コロンブスの新大陸発見後、スペイン人が入植してきて、スペイン人が原住民を絶滅させたそうです。

絶滅ですよ。

日本のトキのように、人間が絶滅させられたなんて。


その後アフリカから連れてきた黒人の奴隷を、金鉱やサトウキビ農園、コーヒー農園などで酷使して、植民地経営したそうです。

フランス革命後、フランスのあとおしをうけてハイチはラテンアメリカで一番最初に独立しました。
しかしスペイン系植民者とフランス系植民者の抗争のはざまにたって、内戦混乱状況に。
20世紀に入るとアメリカにも占領され、第二次世界大戦後までアメリカがハイチの財政を管理していたそうです。

戦後しばらくして軍事クーデターがおき、軍事独裁政治に。
多くの国民が拷問や殺害されたそうです。

その後民主的な大統領がたちましたが、クーデターで追放。
2004年には内戦状態になって、日本のテレビでも2004年に取材した荒れ果てたハイチを今回の地震に関連して放送していました。道路にはたくさん遺体がある状況でした。
それよりは今のほうがいい状況といっても、まだ貧しい国です。

ハイチの歴史については、ちゃんと説明できるほど知らないので、詳しくはご自分で調べてくださいね。


そんな荒れたハイチに大震災が起きたのです。


ハイチの歴史は悲惨だけど、実はこれに似たような歴史を多かれ少なかれ、他のラテンアメリカの国も歩んできました。

カリブの国には黒人が多いけど、ハイチのように原住民が迫害や殺害させられて、アフリカから奴隷をつれてこられたからです。ドミニカもね。

ラテンアメリカの国々の歴史を見ると…

スペイン人による殺りく、伝統文化の破壊、宝物の略奪、原住民の女性をレイプして混血をたくさん産ませる、宗教(キリスト教)の強制、軍事独裁政権、拷問や拉致、クーデター、テロ、超インフレ、アメリカによる占領や利用。

もともとは自分たちの伝統的な文化があって、平和に暮らしていたのを、帝国主義の大国がやってきて侵略したから、その後に国がめちゃくちゃになった。

店にいたらテロの爆破で吹き飛んだ、父親を秘密警察に連れて行かれた、超インフレで貯金が紙になった、内戦で苦しんだ、そういう経験をしてきた人が、今の20代や30代のラティーノたちにだっているのです。


いまハイチにはいろんな国が救援の手をさしのべてるし、ハイチは最貧国なのにたくさん犠牲者がでて悲惨だと各国のメディアは報道してます。
日本でも有名なベネズエラチャベス大統領が、「アメリカは援助名目でハイチを軍事占領しようとしてるんじゃないか」と発言してました。