Life and Dance in Latino Style

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幸福度が高い国 コロンビア

コロンビアにいたときにコロンビア人たちが、「コロンビアは、幸福度が世界トップの国だから」って言うのをきいてびっくりしました。

マジでー?

ジョークだろうと思ってネットで調べてみたら本当だった。
毎年世界トップ3位以内に入っている。
なんと去年(2012年)は世界一になったとか。


世界の幸福度調査にもいろいろあります。
普通は客観的にデータを比較したものが多い。

でもコロンビアの幸福度が高かったランキングは、
人々に
「あなたはどのくらい幸せですか?」
「人生全般にどのくらい満足していますか」
と質問して、
「幸せだ、人生に満足してる」と答えた人の数が多い順から並べたランキング。
なので主観的な人の幸福度が一番わかりやすいデータだといえるでしょう。


ということは、コロンビア人には「自分は幸せだ、人生に満足してる」って思ってる人が世界一多いという。



「あなたは幸せですか」
「自分の人生全般に満足してますか?」


と聞かれて


心から「はい 幸せです! 人生全般に大満足してます!」って断言できる人はいったいどのくらいいるんだろう…。


自分がもし「人生“全般”に満足してますか?」っていきなりきかれたら、うーーーん、って 答えにつまってしまうと思います。
”人生全般”か~、子供のころから今までの半生、プライベート生活や仕事や家庭とか全部含めてずっと幸せだったかな、と頭の中でいろんなことが走馬灯のようにかけめぐって考えちゃいそう。


あ、日本の幸福度ランキングはずーーーっと下です。



ネットでは、この幸福度の結果に対して怒って、コロンビアのことをめちゃくちゃ悪く書いてる日本人が結構いました。

「あのコロンビアが日本より幸福度が高いなんて絶対にありえない!!!」、と怒って。

麻薬とマフィアとテロ国であり、貧しい発展途上国のコロンビアが、なんで経済大国の日本よりも幸福度が高いのか。
「コロンビアでは殺人事件が日本の数十倍あり、麻薬が横行し警察は腐敗している。産業もなく、失業率は絶望的に高く経済も破綻し、犯罪組織が深く政府に浸透している。それを諦めてしまえば刹那的な快楽を国民が追い求めるようになるし、悲劇に対しては目をつぶり向き合おうとしなくなる。このコロンビアが日本より幸福だというのであれば、そもそも我々がまともに悩む必要はない」

などなど書かれていました。

世界有数の危険国で後進国のコロンビアの国民が、経済大国の日本より幸福度が高いのはおかしい、いうのです。



産業もなく、経済も破綻してる… ?
コロンビアにはちゃんと産業あります。
しかも今世界経済で大躍進中のブラジル(世界GDP6位)の次に南米で2番目に景気がいい国がコロンビア。コロンビアの2011年の世界GDPランキングは31位 (デンマークの次)でそれから上昇してます。
世界恐慌中、景気がいいので、欧米を中心に投資が増加しています。


テロや麻薬カルテルで危険な国だから国民が刹那的なんだろう、と上記に書いてありましたが、そこまでゲリラやテロや麻薬カルテルが横行してた恐ろしい時代は90年代初頭までです。

まあコロンビアは危険国だという悪いイメージは世界的だと思いますけどね。
メキシコ人でさえ、コロンビアのほうが危険というイメージが強いです。

コロンビア人は、いつも自分の国がドラッグとテロリストの国だと言われるのを嘆いてます。


昔に比べたら治安はよくなってきてますが、実際、いまだにゲリラは存在しているし、去年春もボゴタで爆破テロあったので、「安全ですよ」とは言えません。


去年か一昨年、日本の人気テレビ番組で「世界有数の危険国コロンビア」という特集をしてたときいたので、ビデオ(you tube)見てみました。
うつってたのは、コロンビアの首都ボゴタにあるスラム街とか赤線地帯(売春婦街)とかスリや麻薬中毒者が多いエリアばかりでした。
一般のコロンビア人はそんなところには足を踏み入れないです。
先進国でも危険エリアはどこでもあるので、そこばかり撮ったら危険というイメージが増幅すると思うのですが。



それに日本は経済大国だからコロンビアより幸せだ、って書いてる人がいたけど、日本は経済大国とは言われてるけど国民は貧富の差があってみんながリッチなわけでもないし。
GDPが高い方が幸せなら、日本人が幸福度が高いランキングの上位にきててもいいと思うのですが。




でも本心を言うと、私はいまだにコロンビアが幸福度が高いのが信じられない。
コロンビア滞在中に、コロンビア人がそんなに幸せそうに見えなかったからです。
コロンビア人ってどっちかというと性格がラテン的じゃないと思ったので。
けど私がいたのがボゴタメデジン、カリという大都市ばかりだったからかもしれないです。


ところで実はこの幸福度ランキング、ラテンアメリカの国がたくさん上位に入ってます。
プエルトリコエルサルバドルグアテマラ、メキシコ、ベネズエラなど。

これらの国は世界でイメージが悪い国ばかりなので(日本人が抱いてるイメージも)びっくりでしょう?


世界自殺率ランキングを見ると、ラテンアメリカの国々はどこも自殺率がすごく低いのです(自殺率がほとんどない)。

カトリックの国ということもあるかもしれないけど、みんなが敬虔なカトリックというわけでもないし。
向こうの人たちにきいてみたら、ほんとに人生いきづまっても自殺という選択肢は頭に浮かんでこないといってました。



ラテンアメリカで思ったのは、人と人とのつながりが濃密なこと。
家族をすごく大事にして家族のきずなも強いし子供が親を大事にするし、友達やその家族といつもハグして挨拶する。近所の人と会ったらしばらくおしゃべりしたり、お店の人とも挨拶や会話したり、他人の子でも子供たちをかわいがる。フィエスタやお祭りなど町の人や一族が集まってパーティする機会が多い。
バスの中や道で知らない人同士がみんなでしゃべったり、私が道をきくとまわりにいる人たちがわらわらと集まってきて口々に教えてくれるし。


日本に戻ると、ラテンでの人とのつながりやあたたかさが恋しくなることがあります。


ラテンアメリカ人は、家族みんなでいつも楽しく過ごしたり、ホームパーティで踊って楽しんだり、恋人とラブラブだとか、そういう日々の小さいことに幸せを感じてる人が多いのかもしれないですね。
それは平凡なことだけど。

それがラテンで幸福度や人生の満足度が高い理由の一つなんじゃないか…、というのが私の考えです。
⇒ あくまで一つの仮説として。


ラテンアメリカの中でもコロンビアがそんなに幸福度が高いのかわからないので、今度行ったらインタビューしてみよう。

<追記>

この記事は2013年に書いたものです。文中のデータはもう古いです。このあとコロンビアは毎年幸福度1位。そして今はコロンビアは南米第2位で中南米3位の経済大国です。

2016年に書いた、 「 コロンビアは世界一幸福感が高い国?」 も読んでください。


関連ブログ内関連過去記事:
「 コロンビアは世界一幸福感が高い国?」 
「 コロンビアは世界一の危険国じゃないよ、コロンビアへの誤解をとく」
「電車がとまって考えたこと」
「ストレスってなに?」
「どっちが危ない?」