Life and Dance in Latino Style

ラテン音楽、スペイン語圏のラテン音楽とダンス。サルサ、レゲトン、バチャータ、メレンゲ等。中南米関連。ラテンファッション。スペイン語。その他の音楽関連

レッスンとらないとサルサは踊れないのか

過去トピックの 「ラティーノってサルサ踊れない?」 のコメント欄に、
「レッスン受けずクラブで好き勝手に踊ってサルサ上手くなったという人は才能ある人か勘違いさんのどちらかです。 私の見るに勘違いさんがほとんどですよ、自由にクラブで踊ってサルサを身に付けたと自称している女性は」という批判コメントがありました

そこで、サルサの先生にこの件についてきいてみました。
レッスンを受けないとサルサは踊れないもんなのか、と。

私の友達にラテンアメリカに住んでるラテンアメリカ人に、その国のサルサ界の幹部で、アメリカなどのサルサコングレスに出ていて、LAスタイルの先生としてレッスンもしていて、サルサのイベントのオーガナイザーがいます。
その人にきいた理由は、レッスンをとらないでクラブやパーティで自然にサルサをおぼえる人が多いラテンアメリカにおいて、LAスタイルをやっていて、サルサ界の幹部としてワールドコングレスなどにも出ているから、クラブ系とは対極にある人だからです。

だからあえてその先生にきいてみました。
たぶんサルサはレッスン受けないとダメだよ、って言うだろうと予想したからです。

注)この先生は、以前他のトピックの 「レッスンの目的」  で紹介したサルサ組織の幹部とは別の国の人です。
その「レッスンの目的」という記事もこれに関連してるので、読んでみてください。


全部スペイン語なので、日本語に訳しますね。


* 以下、そのサルサの先生の話 


自分はサルサのアカデミーでON1やLAスタイルを教えてるし、ワールドコングレスも出ている。
でもサルサのレッスンとらないとダンスを学べないとは思わない。レッスンなんて一度もとったことがないのに上手に踊れる人はたくさんいるよ。

君が自分の踊りを貫きたいなら、その方法は簡単だよ。▲★スタイルとかそういうことにこだわらないし、自分とダンスが合う人とだけ踊れば、自分のダンスを守り続けられるじゃん。 そういう男友達とでかけてサルサ踊れば?  えっ、日本では一曲ごとに相手を替えて踊るんだ。。。 ラテンアメリカでは友達グループやカップルでいってそのグループ内で踊ることがほとんどだから日本と違うね。君も自分とダンスが合う仲間とでかけてグループ内で踊ったほうがいいんじゃない?


ラテンアメリカラティーノたちが君の踊りを認めたんだったら、自分の今の踊り方をキープすればいい。他の日本人が批判してきても心配しなくていいよ。それにその批判してる人は君が踊ってるところを見たことがないんでしょ?

サルサを踊るときに一番大事なことは「楽しむ」こと。
そして、自分に一番ダンスが合う相手を見つけたらいいと思う。
僕も自分のダンスに合った人とサルサ踊るとすごく楽める。


コングレスに出てる有名ダンサーが言ってたことだけど、サルサにはいろんな形があるのであって一つのみではない。キューバ人とコロンビア人はぜんぜん踊り方が違うし、ON1やON2などサルサにはいろんなスタイルがある。
だからあるスタイルで踊る人が、他のスタイルで踊る人に対して「おまえはサルサの踊り方を知らない」と否定することはできない。

自分のスタイルでサルサを踊ることも、他のスタイルで踊る人たちもみんなサルサでしょ。
だから自分なら、他の人からネガティブな批判をされたら無視するね。


日本ではLAスタイルが主流だそうだけど、僕の国では逆にLAスタイルはマイノリティだ。僕はLAスタイルが好きでそれを教えてるけど、LAスタイルの人は少ない。僕の国のほとんどの人たちはレッスンなんか受けないで普通に南米のサルサを踊ってる人たちだ。だから僕らみたいなLAスタイルやってる人たちはまわりから批判されてる。僕たちはLAスタイルが好きだけど、ここでは批判されちゃうんだ。日本と立場が逆だね…。


日本のサルサの状況がラテンアメリカとは違うことは分かった。
でも君がラテンアメリカカルチャーやサルサのことをブログや自分で伝えようとしてることは重要なことだと思う。
日本のサルサ界を変えることは難しいけど、自分のまわりの人たちを変えていくことは可能だよ。一緒に踊りに行く友達たちに、少しずつラテンアメリカサルサラテンアメリカの考え方を教えていくことはたぶんできるんじゃないかな。
僕たちはLAスタイルをここ南米で広めようと何年間もがんばってるけど、なかなか広まらないけどね。キューバサルサやNYスタイルの方がまだ多いよ。


サルサラテン音楽のリズムは、アフリカのベーシックな楽器のプリミティブな(原始的な)リズムがもとになってる。パーカッションのリズムがラテンのダンスのムーブメントをつくりだしてる。そのリズムが、人間に本能的でプリミティブなムーブメントを与えてダンスになっていくんだ。
その理論が分かれば、どんなラテンミュージックであろうと体が自然に動いて踊れるようになる。
一番大事なことはまず音楽を感じること。
音楽を感じれば、音楽からサボールと拍子が与えられるのだから。

その理論はレッスンをとらなくても学ぶことはできる。
それにレッスンではなかなかそういうことは教えてくれない。
だから、「レッスンでしかサルサは学べない」と断言するのは間違ってる、と自分は思う。
アカデミー(レッスン)ではテクニックは学べるけど、センティメント(感情)を学ぶことはできない。そのセンティメントこそラテンダンスでは鍵なのに。

ラテン音楽やダンスではセンティメントやサボールがとても大事なんだ。
けれどそれはみんなが感じとれるものではないし、スペイン語が分かるとかラティーノだから分かるものでもない。ラティーノにだって音楽やダンスからセンティメントやサボールを感じとれない人はいる。自分はラティーノだから、ラティーノとしてラテン音楽を聴いたり踊ることを考えさせられる。

君は「音楽を聴いて、その音楽から自分が感じたように踊ってる」、と言ってたけど、そこまでできるのであればそのままそれを続けた方がいいよ。