Life and Dance in Latino Style

ラテン音楽、スペイン語圏のラテン音楽とダンス。サルサ、レゲトン、バチャータ、メレンゲ等。中南米関連。ラテンファッション。スペイン語。その他の音楽関連

コロンビアのブエナアベントゥーラとパシフィコ

コロンビアではこの1−2週間、政府への抗議デモが各地でおきています。

一番抗議デモが激しいのがBuenaaventura市です。
ブエナアベントゥーラ市はカリ市と同じValle del Cauca県にある、太平洋に面した港湾都市です。(地図でいうと日本側の方にあります。)

最初は政府への抗議のデモだったんです。
ブエナアベントゥーラは数ヶ月前から水道の水が出なくなり、水がない生活が続いています。
時々給水車が来るのと、2週間に1度30分だけ水が出る状態なのに、水道料金は普通に徴収されてるそうです。
コロンビア人はフルーツで生ジュースを作って飲む人が多いのに、水がないので生ジュース作れないからお店でジュースとか買って飲んで、料理に使う水はスーパーで買ってるそうです。
シャワーも浴びれないし、トイレ使えないから海が排泄物で汚染され、感染症が増えています。
衛生状態が悪くなり感染症で亡くなる子どもも出ています。
そんな状態なのに政府がぜんぜん対処しない。

エクアドルに近いPutomayo県のモコアで土砂災害(地滑り)がおきて300人以上が亡くなった事件では、大統領がすぐmocoa入りして、全国にmocoaを救えと救援物資がきたのに。

なぜブエナアベントゥーラは忘れ去られてるのか。

そしてブエナアベントゥーラはValle del Cauca県の中でも貧しい市です。
貧困層が6割。
インフラが整ってなく、失業率が高く、仕事が少ない、学校教育の質が低い、医療がよくない、そういうことに市民が怒ってるのです。

そこで抗議デモをしたけど効果がなかったので、怒った市民と警官隊と衝突して、警官隊が撃ったり攻撃しました。
一部の人が暴徒化して大手スーパーや商店を襲い略奪事件がおきました。

ブエナアベントゥーラ市民同士で襲いあってどうする、という声もコロンビア国内であがりました。
まるでその写真はベネズエラのカラカスの反政府デモの衝突のようでした。

ブエナアベントゥーラは政府からの回答を待ってますが、政府はぜんぜん対応しません。
そこでコロンビアの国内の人たちも怒って、国民や有名アーティスト達が「ブエナアベントゥーラを応援する」というメッセージをSNSにupしています。



チョコ県でも同様のデモが続いています。
チョコ県はエクアドルに近い方にあり、コロンビアの最貧の県です。
ゲリラFARCELNの本拠地があり、今もELNによる誘拐事件などがおきています。


ブエナアベントゥーラもチョコもパシフィコといわれています。
Pacifico、太平洋側の沿岸部の地域。



コロンビアはラテンアメリカ第3位の経済大国になりました。
ここ何年も好況が続き発展しています。
欧米人が移住してきたり、仕事を探しにきたりするほどです。

しかしコロンビアに投資が集まって発展してるのは大都市のボゴタメデジンであり、地方都市は中央政府から忘れられた存在になっているところが多いです。
コロンビアはもともと階級社会で貧富の差が非常に大きい。
富裕層はとてつもなくリッチで、貧困層は働いても働いても搾取だけされてる貧困層の人達がたくさんいます。

何年か前にコロンビアの政治家(確か大臣)が、「チョコがなくなればいいのに」って失言して大問題になりました。
コロンビアでは政治家とか富裕層が特権を握ってるし、チョコみたいな貧困地域はコロンビアの発展にとって目の上のたんこぶみたいな存在だ、と内心思ってたのでついぽろって本音が出たんでしょうね。


そういう地方都市の怒りがいま大爆発したわけです。




私はブエナアベントゥーラと同じvalle del cauca県の県庁所在地があるカリに住んでました。

カリにはビーチがなく、熱帯地方で毎日暑いからビーチに行きたいじゃないですか。
でもカリの人たちはプールか川にしか水遊びに行かないんです。
海に行きたい、同じ県に海あるじゃん、とカリのコロンビア人の友人達に言ったら、「ブエナアベントゥーラはパシフィコ(太平洋側)だしカリブ海側みたいにきれいじゃない。水が汚くて泳げない。それにブエナアベントゥーラに行く前での途中の道が危ないし、ブエナアベントゥーラは治安が悪いから危ないので行ったらダメ」と止められていけませんでした。
何年も前のことなので、まだコロンビアの山道にはゲリラや山賊がいた頃です。



ブエナアベントゥーラはカリの音楽と深い関係にあります。
カリはコロンビアの第三の大都市なので、同じvalle del cauca県や周辺の県などから仕事を求めて移ってきた出稼ぎや移住者が多いです。
出稼ぎ者は貧困エリアに住んでる人が多い。
貧困エリアはもともとカリのミュージシャンやダンサーが多いので、ストリートダンスや音楽が盛んです。
そういうカリの貧困エリアからでてきてカリで活躍してる有名なミュージシャンには結構ブエナアベントゥーラ出身の人もいるんです。




ブエナアベントゥーラ出身の歌手を紹介します。
ブエナアベントゥーラとかのパシフィコの歌手は、パシフィコに愛着や郷愁がありそういう歌をよく歌っています。
彼らの郷土愛の歌とともに紹介しますね。

ビデオにもブエナアベントゥーラの景色がたくさんでてきます。

パシフィコは独特の文化がありまして、音楽にもマリンバとかがよく使われてるのがきこえると思いますが。
ダンスや音楽が豊かなところでとっても興味があるからいつか行ってみたいです。



さてアーティストの紹介



① コロンビアのサルサといえば、大御所のグルーポニーチェ(Grupo Niche)。
グループニーチェのヴォーカリストだったWilly Garciaはいまソロのサルサ歌手になってます。


ビデオの埋め込みが禁止されてたんだけどオフィシャルビデオがとてもいいので、リンクはります


「Yo Tengo Fe」 Willy Garcia


https://youtu.be/5eQamJHEue8



曲のビデオは










② コロンビアのサルサの歌手のYuri Buenaaventura。
「salsa」の歌は日本のサルサバーでもかかりますよね。

彼はやっぱこの曲が有名なのでこれにします。


「Salsa」 Yuri Buenaaventura









③ サルサ歌手のJimmy Saa。彼はクンビアやパシフィコの音楽も歌います。
私が好きな歌手です。



「Abrázate A Buenaventura」 Jimmy Saa






「Pura Caña」 Jimmy Saa








サルサチョケの大御所 Junior Jein。
この人はカリにいてカリの歌も歌ってるけど、実はブエナアベントゥーラ出身です。


「Somos Differentes」 Junior Jein







⑤ChocQuibTown。
この人たちはグループでチョコ出身でカリで活動と書いてあるけど、ブエナアベントゥーラにも住んでました。


この曲はチョコやブエナアベントゥーラなど太平洋側のパシフィコの歌です


「Somos Pacifico」 ChocQuibTown







パシフィコの歌手のこういう歌をきいてるとなんか胸がしめつけられるんですよね。。。
心に響く曲や歌詞が多いです。