Life and Dance in Latino Style

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中南米でのジカ熱感染対策の難しさ

ブラジルで急激に拡大しているジカ熱ですが、コロンビアでも患者数が急増しているそうです。
私が先々月滞在していたいたときより、短期間ですごい増えてる。
ブラジルは大きな国なので南米のあちこちの国に隣接しており、コロンビアはブラジルの隣です。

私がいたコロンビアの都市はトロピカルで四季がなく、一年中暑いので蚊が多いです。
高地で寒くて雨が多いボゴタ(コロンビアの首都)とは気候がかなり違います。

私がコロンビアにいるときにテレビでジカ熱拡大のニュースをやってたんですが、コロンビア人達はあまり興味がなくニュースにも目を向けないし、話題にものぼらなかったです。
「蚊に刺された」とコロンビア人にいっても「ふーん」で終わり。
私は幸いなことにジカ熱にはなりませんでした。


テレビのニュースではブラジルの地方で、防護服を着た人たちが殺虫剤を散布している様子がでていますが、あれでは蚊を撲滅してジカ熱を防ぐのは難しいのでは。。。。

私はブラジルに行ったことがないので、コロンビアや今まで行った他の中南米を例にとって考察してみたいと思います。


中南米豚インフルエンザデング熱(デングはいつもあるけど)、今回のジカ熱など、感染症拡大のニュースがよく出てますね。
私が数年前にメキシコに長期でいたときはメキシコシティの近くの州でコレラが発生してました。

普通のインフルエンザや悪性の風邪が流行るとあっというまに広がります。

中南米のローカルな場所でジモティの人たちと一緒に生活してた私は、どうして感染がすぐ広がるのかよくわかりました。


私が観察したところによると



●まず、挨拶でほっぺにベソ(キス)をするとか握手をするなど他の人との接触が多い。
恋人や家族じゃなくても、友達や近所の仲いいひととか、ほっぺにチュっていうのはよくあります。


●日本人みたいにマスクをしない。

マスクを普段からしてるのはたぶん日本人だけかもしれない。日本に観光にきた欧米人などの観光客も日本人のマスク姿に驚いてます。(他の国ではマスクをするのは医療者とかだから)。
メキシコでマスク姿が出たのは豚インフルエンザが世界的な大問題になったときだと思います。
通常は、空気感染の病気が大流行しても、見舞いに行くときもマスクをする人はみませんね。


●手をあんまり洗わない。

北米や欧州の女性にはトイレのあとに手を洗わないで出ていく人が結構いるのですが、中南米人はトイレのあとは手を洗います。
しかし、一日通すと手を洗う回数は少ないと思います。
私は日本で手洗いとうがいを励行するようにいわれてるので、手をしょっちゅう洗うし、外出したらうがいするし、日本から持ってきた除菌ティッシュを持ち歩いて外で食事するときなどに手を消毒してます。中南米でもやってるのであるていど食あたりも防げてるんだと思います。

中南米では仕事から帰宅しても手を洗わないで、まずこっちにきてほっぺにチュの挨拶しにくる人結構いるんです。
中南米で「外出したらまず手を洗いなよ」 「食事する前に手を洗って」と口うるさく言ってるのは私です。
外出したらうがいしなって教えたら、「うがい」ってどうやってやるの?って結構言われます。
「こうやってやるんだよ。ぐるぐるぐるぐるー」ってやってみせると、ケタケタ笑ってました。うがいの音がおもしろいって子供みたいに。
もしかしてうがいの習慣がないの??
日本では幼稚園からうがいと手洗いの習慣をしつけるけど、中南米では私がやらなきゃいけないっていう 笑。


●病気の人がいると看病や見舞いに行く。

メキシコでインフルエンザが流行った時に、友達の甥っ子たちがインフルエンザにかかって高熱出しました。
そしたら、その見舞いに行くからあなたも来なさいといわれて、毎日のように見舞いに行っては1時間とか病気の子を見守るのです。しかも、病気の子をかわいそうだとほっぺにチュしたり、頭をなでたり。 マスクもしないでね。
少し離れたところにいた私にももっと近くによってそばに座りなさいと言われました。拒否したら情がない冷たい人っていう雰囲気。
その後、まわりの親族が次々とインフルエンザにかかっていきました。
家族愛の強さが、病気の感染源に。。。


●網戸がない。

中南米の多くの家には網戸がありません。
熱帯地域でも網戸がなく、暑いので夜でもドアや窓をあけっぱなしにするため、蚊や害虫、やもりなどがたくさん入ってくる。
網戸がある家もときどきあるので、網戸は売ってるんだと思うんですが。
網戸をつけてる人に対して「あの人は虫嫌いの神経質だから」って言ってました。
私が滞在してたアパートは私の部屋の窓にブラインドしかなく、大家さんがいつも玄関のドアや家中の窓をあけっぱなしにするので虫がよく入ってきてました。家の中で蚊によく刺されるので大家さんに言ったら、「私は刺されないわよ、あなたは蚊に好かれる血なのね」、としか言われませんでした。
(その都市ブヨも多く、ブヨに刺されると数週間かゆくて腫れあがりあとが残ります。そのブヨはショウジョウバエくらいに小さくてめちゃすばしっこく、どこにいるかわかりません。)
高級ホテルでも網戸ついてないところが結構あります。


●クーラーがなくて扇風機

エアコンがある家がほとんどありません。
エアコンはショッピングモールとかじゃないと基本ないので、暑い日はショッピングモールに涼みに行くくらいです。
家では扇風機。
エアコンがある家は非常にまれ。
メキシコシティは冬は0度になりますが、家の中に暖房がありませんでした。
家庭用エアコン売ってないのかと思ったら、コロンビアではホームセンターに売ってました。なんでエアコン買わないのかときいたら、「電気代が高い」とのこと。
中南米は光熱費が異様に高いです。家計のかなりの割合を光熱費が占めています。
メキシコに暖房がないのも電気代のせいだといってました。
暖房や冷房問題や蚊の問題には現地在住の日本人も頭抱えてます。

もし中南米の熱帯や寒いエリアに旅行するなら、4つ星ホテルでも冷暖房がないところ結構ありますので、エアコンがついてるところにしたほうがいいかと思います。



●虫よけや殺虫剤をあまりつかわない

私は日本から虫よけ持っていきましたが、コロンビアでは虫よけ塗ってたところをさされました。
日本の虫よけは弱いそうなので、現地で虫よけ買ったほうがいいと思います。
向こうではベープマットに似たものや殺虫剤スプレーも売ってます(RAIDという名前)。向こうの人はベープマットのようなものをずっとつけるよりは、害虫が出たときにしゅーっとスプレーして殺すことが多いです。

●蚊の発生源があちこちにある

蚊はぼうふらから成虫になるので水が必要なのですが、植木鉢の受け皿にたまった少量の水でも大丈夫だそうです。
なので蚊が発生するような水がたまってるところを除去する必要があるんですが、南米の地方の田舎にはそんなところがたくさんあります。
川に近いとこは蚊やブヨに刺されやすいです。
雨季だと雨が降ったあとに水たまりもたくさんできますし。


●インフラが整ってなく不衛生なエリアがある

また南米は一般的に、高台が貧困エリアです。町の中心部から高台に上がると一挙に貧困エリアに入ります。高台は水道や電気などのインフラが整ってなく、交通手段もあまりないからです。
そういう高台(セロ)の貧困エリアに行ったことがありますが、水道がないので雨水をためている、家の屋根を石でおさえただけとか、空き地にゴミが散乱して異臭がしてました。
そういう貧困エリアでボランティアで医療支援してる友達によると、一部屋に何人もが暮らしてる、衛生状態が非常に悪くて感染症が蔓延しているなどの問題があるそうです。
水道がないので雨水ためてるとぼうふらわくし、水たまりや汚水がたまってるところもよくあるから蚊が生まれやすい。
こういうところでは蚊などの害虫やねずみなどがたくさん発生しますし、食中毒や感染症なども多く、衛生状態がよくないので病気が出ればあっというまに多数の人に広がってしまいます。
このエリアに住んでる人たちは市の中心街などに仕事や買い物に出かけていくから、他エリアにも伝染する可能性があるわけですね。



私が中南米各国に滞在して感じた問題点は以上です。


テレビのニュースで出てたジカ熱が大量発生してるブラジルの町は、私は行ったことがありませんが、見た感じ地方の田舎であまり衛生状態がよくないし貧しいエリアのように見受けられたので、上記のような問題があるのかなと思いました。

そこにいくら、防護服を着た人が殺虫剤を1回散布したからと言って蚊やジカ熱が撲滅するとはとても思えません。
もし散布しても、蚊は密林に一時的に逃げ込むだろうし。


ところが蚊が多い熱帯なのに、蚊がほとんどいないエリアもあるんですよ。

たとえば、メキシコのカンクンのホテルゾーン。
カンクンは、外国人観光客向けの高級ホテルが立ち並んだホテルゾーンと、メキシコ人が多く住むセントロとその郊外にぱっきり分かれています。
ホテルゾーンにはほぼ蚊がいません。夜歩いてても蚊に刺されたことはないですね。

でもカンクンで、ホテルゾーンから車で15分のセントロに行ったととたんに蚊に刺されまくります。
セントロの安宿に滞在するなら、クーラーがある宿じゃないとつらいです。
でもセントロの中心部にあるきれいなレストランでも食事中にがんがん蚊に刺されるし。
セントロの郊外に行くと舗装されてない道やごみがたまった空き地などがありいろんな害虫が多いです。

シンガポールも蚊の対策をかなりしていて、ガム捨てたあとから蚊が発生するし美観を損ねるということでシンガポールはガム持ち込み禁止ですよね。
シンガポールも熱帯なのに確かに蚊にぜんぜん刺されなかったですが、タイなどではたくさん蚊やブヨのようなのに刺されました。

隣接してても、エリアによって蚊がいるかいないかに分かれてるなら、やっぱり衛生状態やその対策も関係あるかもしれませんね。



リオのオリンピックに行く人は蚊の対策をしっかりするようにとテレビで行ってますが、実際蚊の対策するのは結構難しいですと思います。
なるべく都会で、エアコンがついてる高級ホテルに泊まるとか、蚊帳がついてる宿を選ぶ、虫よけは現地で買うとか、露出が多い服を着ないとか(暑いかもしれないけど)。


日本の省エネのエアコンを中南米に輸出してほしいですね。基本的な機能だけでいいんで、省エネ重視で本体の価格が安いもの。日本は家電があんま売れてないらしいので、中南米に輸出するとか。
それに取り付けが簡単な網戸。日本みたいなしっかりした高いサッシじゃなくていいので、とりあえず網戸用の網を今ある窓にはりつけるだけでもいいかと思います。
網戸とエアコンで、中南米も蚊はかなり防げると思います。
それと、手洗いやうがいや、感染症を患った人に接触しないなどの一般人の教育も必要かと。