Life and Dance in Latino Style

ラテン音楽、スペイン語圏のラテン音楽とダンス。サルサ、レゲトン、バチャータ、メレンゲ等。中南米関連。ラテンファッション。スペイン語。その他の音楽関連

修理する文化と使い捨て文化

南米でサルサシューズのベルトがぶちぎれてバックルが壊れたので、靴修理屋に持って行って修理してもらいました。
皮のベルトとバックルを取り換え、ヒールのところに傷がついてたのまで塗ってきれいにしてくれて、所要一日でたった100円。

マジックテープでとめるシューズはマジックテープがばかになっちゃってとまらなくなっちゃったのですが、日本ではどこに持って行っても修理できないとのこと。メーカーにきいたらそれは捨てて同型の新しいのを買いなおしてくれと言われたので、同じ靴を買いなおしました。
ところがまた同じ部分が南米旅行中にダメになったので、街角の靴修理屋に持って行ったらすぐ修理してくれました。それも修理代100円。


南米旅行中にキャリーケース(バッグ)が破れちゃって困ったところ、ダメもとで洋服のお直しのお店に持って行ったら、キャリーバッグだからひっぱる取っ手がついてるし中に金属の骨組みも入ってるからミシンにかけられないし難しいと、一軒目では無理と言われました。
でも別の店に持って行ったら「うーん。これはちょっと難しいけど、おじちゃんがなんとか直してあげよう」と言い、修理してくれました。


靴修理では、ハイヒールのつまさきのソール(靴底)からヒールまで一個の木のパーツになってるのをプラスチックのローヒールにかえてくれというおばさんの無理なお願いをきいて直してました。


日本にもミスターミニットとか靴修理の店あるけど、メニューが決まっていてそれ以外のことはしてくれない。ほかの靴の修理屋も「それは無理」とか「それはうちではやらない」「新しいのを買えば」と言われることが多いのよね。壊れたのはマイナーな部分でももう靴を捨てなきゃいけない。


中南米の洋服の修理屋さんは各町にたいていあって洋服のサイズとか補正とかデザインを変えたりしてくれます。体型が小さくて既製の服が合わない友達はいつも持って行ってつめてもらっていました。修理代は安い。

日本から服とか靴とか持っていって全部なおしてもらいたい! と思った。


ラテンでは家電やパソコンでも車でもなにか壊れたらまず自分で修理してみます。家族や友達にもきいたりして。修理やDIYが上手な人がほんとに多いのよね。家の中で何か壊れたらラテンの男性にいうと工夫してなんとか修理してくれるし、組み立て家具なんかもぱっぱと作ってくれる。

自分では無理ということになると、パソコン修理サービスや家電修理屋に持っていく。もしくは自宅まで来てくれるサービスもあり。
結構格安な値段で直してくれる。


日本では電気屋さんに修理にきてもらうと家に来るだけで5000円はとられるでしょ。
家電の修理代はすっごく高くて、修理するより新しいものを買ったほうが安いくらい。

日本でノートパソコンのキーボードのキーが一個ダメになったときに、メーカーに言ったら壊れてるかどうかチェックするのに4000円以上とられて、修理費は60000円といわれたんで、修理はやめて新しいパソコン買いました。

「○○タイマー」といって、保証期間が終わる頃に壊れるようにつくってると噂されてる家電もあるし。
修理代が高いので、量販店で家電を買うときに追加料金で5年の保証をつけるようにすすめられます。

だから日本では壊れちゃったらそれは捨てて新しいのを買うことが多い。
高い修理代を払って修理する人もいますが奇特な人かも。
日本の粗大ごみは「宝の山」と外国人から言われたこともありました(まだ使える家電や家具などがたくさん捨ててあるから)。

中南米で、日本のそういう状況を話したら、「もったいない。こっちだったらまだ修理して使えるのに」「なんでそんなに修理代高いの? ぼったくりじゃん」って言われました。


中南米ではこうしたちまちました修理屋さんがどこの街でもあって、いろんなものを修理してくれるのです。
自分でまず修理してみて、できなければプロに頼む。
熟練の修理工が多くて、結構難しいものでもなんとかなおしてくれます。
そうやって修理して大事に使い、もしいらなければほかの人に売ったりあげたりする。


日本はもともと「もったいない」文化ですが、今はすっかり「使い捨て文化」になってしまったように思います。
新しいものを買うときに、まだ使えるのに今あるものを捨てることになります。
しかも捨てるのにまたお金がかかるでしょ(テレビとか)。
世界恐慌だし、環境や資源問題もあるから、なるべく使い捨てしたくない。
捨てるのはもったいないと思ってる人も多いし、修理できればまだ使いたい、ほかの人にあげたい、と思ってる人は多いでしょうに。

ラテンアメリカのようなこうした修理屋さんが日本にたくさんできればいいなと思います。


関連過去記事:
「ビールの開け方@メキシコ」
「コロンビアの携帯かけ屋」
「水シャワー」
「日本は豊かな国なのか」