Life and Dance in Latino Style

ラテン音楽、スペイン語圏のラテン音楽とダンス。サルサ、レゲトン、バチャータ、メレンゲ等。中南米関連。ラテンファッション。スペイン語。その他の音楽関連

レゲトンすでに流行ってるよね

「2018年を早読み。 2018年はレゲトンが流行の兆し」という記事が、iFLYERという音楽サイトに掲載されていた。

 「 https://iflyer.tv/ja/article/2017/12/14/reggaeton/」



が、この記事はレゲトンラテン音楽をよく知らない人が書いたと思う。
私的には「なんか違うな」と首をかしげる箇所が多いんだよね。

ラテン界やレゲトンファンには、音楽サイトがレゲトンをとりあげてくれたと喜んでる人が多いだろう。
せっかくラテン音楽をとりあげてくれたんだから導入部としてはそれでいいじゃないか、文句つけるな、と叱られるかもしれないが。

でもあのiFlyerの記事を読んで「レゲトンってそういうものなんだ」と誤解されてしまっては、ラテンDJの私としては困るので、簡単に解説したいと思う。



iFLYERの記事には

「実は今、レゲトンが世界的に大注目されているのだが、日本国内ではまだまだレゲトン=昔流行したジャンル、といった印象も強く、特に若い音楽ファンの中にはレゲトンについてよく知らない人も多いはず。今回は現在大流行中のレゲトンミュージックについて紹介しよう」

「2018年、レゲトンブームが日本にもようやく上陸する気配は濃厚!? 今のうちから注目しておけば、来年の音楽シーンをもっと楽しめることは間違いなし!気になるレゲトンアーティストをチェックしておこう」


と書いてある。


でも若い世代の方にレゲトンが流行ってると思うんだけど。。。

「ガソリーナ」がEDMリミックスされてウルトラとかのフェスでかかったし。

「ダンサクドゥーロ」が好きな人も若い世代でしょう?

ラテン界ではもう昔からクラブでレゲトンかかってたので、レゲトン好きにも上の世代がいるけどね。





さて、この記事では代表的なレゲトン歌手として、

ダディ・ヤンキー
シェキーラ、
maluma,
J Balvin,
リッキー・マーティン
PISO21、
Nicky Jam,
CNCO,
Pitbull

をあげている。


残念ながら、このリストの半分はレゲトン歌手じゃないんだよね。


このなかでレゲトン歌手は、
Daddy Yankee, Nicky Jam, J Balvin, Maluma
だけ。

あとはポップス歌手とか。
ポップス歌手なんだけど、レゲトンのリズムが入ってる歌も歌ったり、レゲトン歌手とコラボした曲を出したことがあるという人たち。

ってか、よくPISO21とか知ってたね。

リッキー・マーティンは何十年も前から日本で歌謡曲の日本バージョンがリリースされるほど人気なポップス歌手なのに、レゲトン歌手と書いてあったのでびっくりした。
ちなみにリッキーはプエルトリコ人。


SHAKIRAは「シェキーラ」じゃなくて、「シャキーラ」とよみます。
彼女の出身地コロンビアでもシャキーラと読むし、日本でもそう。
シャキーラの「waka waka」は確かにW杯のテーマ曲で流行ったし、「Hips Don't Lie」も流行ったが、どっちもポップス。

シャキーラの「chantaje」はレゲトン歌手のmalumaがfeaturingしてるからレゲトンのリズムが入ってるが、ラテン界ではジャンル的にはレゲトンよりはポップスに入れる。


Pitbullは米のラッパー。
キューバ系米人でもともとヒップホップ歌手。
2010年代はダンスミュージックをたくさん歌って、日本で大ヒットしたよね。
あのヒット曲はほぼレゲトンじゃない。
ずっと昔はレゲトン歌ってたが、この7-8年はほとんどレゲトンもヒップホップも歌わなくなった。




それからiFLYERには、”日本にレゲトンが来年やっと上陸するだろう” と書いてるが、日本にレゲトンが上陸したののはもう10何年も前。
ダディ・ヤンキーの「ガソリーナ」の2004年ごろ。

2005年私がラテンのクラブに行き始めた頃は、サルサバーや日本中のラテンディスコ(中南米人ばかり)でレゲトンはがんがんかかってた。

10年位前には「ガソリーナ」は日本で結構流行ったから、タワレコとかでも宣伝してたし、商店街のマツキヨとかでもかかってたよ。



それから日本で爆発的にレゲトン系の曲がヒットしたのが、2010年のドン・オマールの「ダンサ・クドゥーロ」。
「ダンサ・クドゥーロ」はめっちゃ流行って、違うジャンルのクラブでもかかりまくったし、お店のBGMとかラジオとかいろんなところで耳にした。
この曲はレゲトンではあるけど、結構ダンスミュージックぽいし、ポルトガル語圏の音楽が入ってる。
私のブログにサルサ界以外の訪問者が増えたのも、「ダンサクドゥーロ」以降だと思う。

ラテンの音楽に興味を持つ人が増えたのはこの曲のおかげではないだろうか。


それからレゲトンスペイン語のヒップホップじゃない。
まったくわからない人にはスペイン語のヒップホップと説明するほうが簡単なんだけど、リズムがヒップホップとは違うでしょ。
スペイン語のヒップホップは80年代から別にあるんだよ。
スペイン語のヒップホップから派生したのは、trap latino。

実はレゲトンのもとになったのはレゲエ。
スペイン語のレゲエが昔からあって、スペイン語のレゲエとラテンのリズムなどをmixさせてできたのがレゲトン
80年代初めに中米のパナマでできた。

それにジャマイカダンスホールレゲエが混じり、米領であるプエルトリコアメリカのヒップホップやプエルトリコの伝統音楽などもとり入れて今の形に完成させた。
レゲトンは80年代初頭にはあったので、比較的古い音楽。
ヒップホップのマネだと勘違いしてる人多いけど。




iFlyerがレゲトン歌手の代表としてリストにあげてる歌手の半分は、実はポップス歌手と上で述べたけど。

このごろの全米ヒットチャート ビルボードなどの音楽ヒットチャートを見てると、レゲトン歌手がコラボしてたりレゲトンのリズムが一部入ってるポップスやダンスミュージックが多くなったのは確か。
レゲトンの歌手がfeaturingする傾向はもう10年以上前からあって、パリス・ヒルトンですらレゲトンremixの曲をリリースしたりしてた。
アメリカ大陸ではレゲトンずっと流行ってるからね。


今年世界を席捲した「デスパシート」はレゲトンじゃなくてラテンポップス。
でもレゲトン歌手のダディ・ヤンキーがコラボしてるのでレゲトンが少し入ってる。


「Bicicleta」(Callos vives ft. Shakira)は、コロンビアのバジェナートという民族音楽をベースにしたポップスなんだけど、レゲトンのリズムが入ってる。ジャンルはラテンポップス。





一方iFlyerのリストに入ってたレゲトン歌手では、


ダディ・ヤンキー

ダディ・ヤンキーレゲトン・キングというのは本当で、レゲトンプエルトリコで完成された貢献者でもあるし、今もレゲトン界の頂点にいる。

でも記事にダディ・ヤンキーの代表的なレゲトン曲は「Limbo」とあったが、「Limbo」はレゲトンでもかなりポップス性が高いほう。
ダディのレゲトンなら、「ガソリーナ」とか「Rompe」とか別の代表曲がいいよね。彼は重低音の正統派レゲトンの人なので。



「ガソリーナ」 Daddy Yankee








何年か前に出した彼っぽいレゲトン


「La Rompe Carro」









●J BalvinとMaluma

彼らはコロンビア人のレゲトン歌手で、最近のレゲトンの歴史を変えたともいえる。
コロンビアのメデジン出身。
重低音で、ギラギラごつごつの服装で男臭かったレゲトン界に新しい風を吹き込んだ。
ロマンチックなレゲトンのメロディや、甘いルックスやファッション性を取り入れた人達。
特にmalumaはレゲトン歌手に珍しいイケメンで、世界中に女性ファンが多い。


J Balvinの「Mi Gente」はすごく流行ったけど、「Mi Gente」はレゲトンじゃないよ。
「Mi Gente 」はジャマイカのレゲエをベースにした曲で、「これからはこのようなレゲトンとは違う音楽に挑戦していきたい」とJ Balvinもインタビューで語ってた。

レゲトンなら、記事にあげられた「Ay Vamos」が彼の代表曲だね。




「Ay Vamos」 J Balvin








あとJ Balvinのこの曲も日本で流行った

「Ginza」 J Balvin








malumaは文中に出てくる 「Felices los 4」は今年流行った曲。





他には


Maluma 「El Perdedor」












● Nicky Jamはプエルトリコアメリカ人だが、コロンビア人と結婚して今はコロンビアに住んでる。
Nikcyは私は10数年前から知ってるベテランのレゲトン歌手。


今年ビルボードラテン音楽賞で大賞とった曲


「Hasta el Amanecer」 Nicky Jam











::::

さてiFLYERの話はここまで。

これに追加して

他にレゲトンの代表歌手をあげるなら、


● ドン・オマール (DON OMAR)


まずはドン・オマールを出さなきゃいけないでしょう。
一時は、ダディ・ヤンキーとどっちがレゲトン・キングを争った人でもある。
レゲトン界の大御所。
プエルトリコ人。
ドン・オマールは日本でも大人気。

don omarの「ダンサ・クドゥーロ」は、レゲトンのリズムが入ったダンスミュージック。


「Danza Kuduro」 Don Omar







レゲトンとしては、もっと重低音で渋い曲がdon omarの持ち味。

これは昔めっちゃ流行ったレゲトンの名曲。


 「Dile」 Don Omar








●Wisin Y Yandel

Daddy Yankeeの「ガソリーナ」が大流行した時代から、ラテンのクラブのヘビロテ曲を出し続けてる。
日本でも知ってる人は結構いると思う。
しばらくソロで活動もしてたが、最近またデュオ復活した。


今年リリースした彼らの新曲。
今流行ってて、おススメ。

「Como Antes」 Wisin Y Yandel





この曲は2005年位に、Wisin y Yandelが歌ってた、クラシックなレゲトンみたいな懐かしい感じ。
音楽もそうだしビデオも。








他にもレゲトン歌手には


Tito El Bambino,
Alexis y Fido,
Arcangel,
Plan B,
Ñengo Flow,
Zinn Y Lennox,
De La Ghetto,

などたくさんいる。

レゲトンは実は中米のパナマ生まれなんだけど、完成されたのはプエルトリコ
だからプエルトリコ出身やプエルトリコ系の歌手が多い。


レゲトンの曲は、映画「ワイルドスピード」を見たことがある人なら耳にしてるよ。
ワイスピはレゲトンの曲を昔からよくサントラに使ってるので。
Don Omarは映画に出演もしてるが、サントラも参加してて「Danza Kuduro」はワイスピのサントラからヒット。






そしてここ数年は、実は米のヒスパニックや中南米の若者には、レゲトンよりもTrap Latinoが人気。
レゲトンも人気なんだけど、トラップもかなり人気。


Trap Latinoは、スペイン語のヒップホップに電子音を入れた新しいジャンルの曲。
Trap Latinoの若手の歌手が人気。


Farruko

Bad Bunny

Ozuna

など。


Farrukoはレゲトン歌手としても人気だが、最近はtrap latinoの曲も多い。
おっさんに見えるが、まだ26歳くらい。

trap latinoの歌手は20代前半位で若い。

Daddy YankeeやDon OmarやWisin y Yandelなどレゲトン界の大御所たちはもう40歳くらい。


trap latino人気がレゲトンにもかなり影響を与えて、Daddy Yankee, J Balvinやmaluma などレゲトン歌手もtrap latinoの曲をかなりリリースするようになった。
中南米で放送禁止になったmalumaの「cuatro babys」もtrap latinoだよ。




私が好きなtrapの曲は


「La Ocasión」   De La Ghetto, Arcangel, Ozuna, Anuel AA









今ヒットしてるtrap の曲。 おススメ曲。


「Krippy Kush」  Farruko, Bad Bunny, Rvssian








けど最近は反動なのか、また重低音のクラシックなレゲトンも流行ってる。


上で紹介したWisin Y Yandelの「Como Antes」のように。



trap latino歌ってる歌手たちはレゲトン歌手でもある人達ばかりなので、レゲトンも歌うよ。







最近リリースされて今流行ってるレゲトンからおススメを紹介。



「La Fomula」  De La Ghetto, Daddy Yankee, Ozuna, Chris Jeday





la fomula daddy





次の曲はレゲトン歌手ではなくて、別のジャンルの歌手だけど、レゲトン歌手とレゲトンの曲を歌って大ヒットし日本でも人気が出ている。女の子の歌手Becky Gに、レゲトンとtrapの歌手のBad Bunnyがコラボ。


「Mayores」 Becky G ft. Bad Bunny






他にも

レゲトンの名曲を知りたいなら、私が以前つくった「レゲトンの名曲まとめ」をどうぞ。
これを見ればこの10数年のレゲトンの名曲がわかる!

  ↓   ↓   ↓

「 レゲトンの名曲まとめ」




他にもたくさんレゲトンの歌を12年にわたってブログに書いてるし、歌詞も和訳してるので、このブログの左欄のジャンルのレゲトンのところを見てね。

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