Life and Dance in Latino Style

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テロのある国に住んでわかったこと

ヨーロッパはこのごろテロがよくおきてるので、もうどこが安全なのかわからなくなった、どこに観光旅行に行ったらいいのかわからないという声をよくききます。


私はテロのある国2カ国に住んでました。
自分がテロから得た経験を書こうと思います。

ただし私がいたところは、ほとんどが政府への攻撃など敵意を抱いてる相手を狙うテロで、ソフトターゲット(市民)を狙うものはほぼありませんでした。

市場とか市バスの中とか歩行者道路にトラックが突っ込んでくるなどソフトターゲットを狙ったテロで、しかも自爆テロだと、いくら対策しても防ぐのは非常に難しいなーと思います。



私が住んでたところでは、テロはその国の政府への抗議が中心だったのでテロがおきるのはほとんど首都でした。


1カ国目は首都に住んだんで、たびたびテロのせいで道や駅が封鎖されて交通がマヒしました。
学校のビルから出ようとしたら道が全部封鎖されて非常線がはられ、外に出られないようなこともよくありました。

そこの都市では、公共の建物や学校でリュックを床においてると警備員が飛んできて怒られました。
爆破テロがあるので、持ち主がいない荷物を非常に警戒してたんです。

電車に乗ってた時に床にデイパックが置いてあり、近くにいる人が「この荷物あなたのか?」「あなたのか?」とききまくって私もきかれました。
でも誰も自分のだという人がいませんでした。
そしたら次の駅に電車がとまったときに、周りの人がみんな電車から降りたんです。
私もまずいと思ってその駅で降りました。

地元の人からは駅のホームや街角などにおいてあるゴミ箱のそばには立たないほうがいいといわれました。
ゴミ箱に爆破物が入れられ、爆発して死傷者が出た事件があったからです。


日本に帰国してからも私はそれが身についてしまって、今でもゴミ箱のそばには立たないし、持ち主がいない不審な荷物があれば近寄らないし、なにか電車の車内で変なことがあったり電車で暴れる人がいたりすればすぐ電車を降りるようになりました。


でも日本の電車は網棚の上に荷物がたくさんあるので判断がつきにくいんですけどね。
(オウムのサリン事件を受けて)ゴミ箱はかなり撤去されましたが。



もう一つの私がいたテロがある国はコロンビアです。
昔はテロが多かったけど、今は静かになりました。でもまだ少しテロはあります。

コロンビア人が言うには、ボゴタは首都だから政治家が多くてテロは政治家を狙うのでテロはボゴタが多いとのこと。
だから、テロを避けるには首都以外に住んだ方がいいと言ってました。
また、第二の都市メデジンも元政治家が襲撃される事件があったそうですが、爆破テロとかはきいたことないです。

私は地方にある第三の都市に住んでたんですが、その都市のジモティたちはここはテロがないから大丈夫だと言ってました。

私がコロンビアに最初にいた時は、元大臣が乗ってた車がボゴタの道路の信号待ちしてたらバイクが隣にきて爆弾を車につけて爆破しました。
大臣は負傷ですみましたが、まわりにいた市民が多数巻き添えになって多数死傷しました。

また7年前位にボゴタのラジオ局の前に停まってた車が爆発するテロもありました。

最近ではボゴタのいくつかの保険会社前でも爆破テロが一昨年から何度かおきています。
先月はボゴタで警察をねらったと見られるゲリラの爆破テロが起き、警官が一人死亡し市民が多数負傷しました。

コロンビアでは政治家以外には、警察や軍隊、メディア(ラジオ局など)や保険会社などがねらわれやすいです
コロンビアのゲリラは自分たちが憎悪してるターゲットを狙うからわかりやすい。

中南米で抗議デモやテロがあるときはほとんど首都などの大都市でおきます。政府への抗議が多いので。

中南米はISのテロはおきていません(今までのところ)。



けどヨーロッパなどでおきてるテロはほとんどが市民というソフトターゲットねらいですよね。
ヨーロッパのテロリストって卑怯だね。
ソフトターゲットは簡単だし、インパクトも強い。
どうせ自爆して死ぬなら、大統領府とか狙えばいいのに。


不審物が置いてあるならそこから立ち去るとか自衛できるけど、自爆テロはわからない。

いくらテロに対して身を守る対策をしたとしても、ソフトターゲットねらいでしかも自爆テロなら防ぐのは難しいですよね。
もうそこにいたのが不運だった。。。というしかないという感じもする。

避けようがないならどうすればいいの?
テロは国によって傾向があるので、自分が行きたい国や地域でどういう種類のテロがおきてるのかまず把握したほうがいいと思います。

コロンビアみたいに官憲を狙ったテロもあれば、宗教的な建物を狙ったテロが多い国(例えばモスクとか)、観光客や外国人をねらうテロが多い国、ソフトターゲットで市民の無差別テロがおきる国。

たとえばイスラム過激派(ISじゃなくて昔からいる方)、観光名所や外国人観光客がたくさんいるホテルやレストランやバーなどを狙う傾向が高いように思います。観光産業で食べてる国だと観光産業を攻撃するのが政府にとって打撃になるから。

私は観光旅行先として選ぶ場合、特に外国人旅行客をターゲットにするテロがおきている国は避けてます。

政府や政治家をねらったテロが多い場合は政治家がいる首都などを避けるとか。


外務省の渡航安全情報には何年も前の情報しかのってないこともあるので、常に最新の情報をアップデートすることが必要だと思います。

渡航先の国の歴史や社会背景や社会問題、対立関係とかを調べたり、その国や都市のニュースをよく読むことはとても大事だと思います。
日本の新聞やテレビは国際ニュースがとても少ないので、本当は現地の言葉ができて現地のニュースをネットなどで観れるといいのですが。
外国語がわからない人でも、CNNなど海外ニュースを見るとか、ネットで検索するとか、現地在住者のブログを読むとかその人に質問するとか、ツイッターで情報集めるとか日本にいてもできると思います。


それから渡航先の言語で、特に助けをよんだり危険を知らせる言葉は覚えておいたほうがいいと思います。
「危ない」とか「逃げろ」という言葉がわからないがために危険が察知できなくて巻き込まれたら大変ですから。