Life and Dance in Latino Style

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コロンビアのカリに観光に行きたいと思ってる方へ

4年前にもコロンビアのカリ市の治安情報を書きましたが (「コロンビアのカリの治安と注意事項」  を参照) 、コロンビアが好景気のためここ何年かでかなり変わったのでアップデートします。

ただし2015年から2016年1月まで私がカリ市に滞在した時点での話です。あくまで私がいたカリ市の話で、コロンビアの全体の話でもないし、別の市はぜんぜん状況が違います。首都のボゴタメデジンは治安が劇的に改善してかなり安全になり観光客が急増してます。


このブログでコロンビアのカリのサルサについてよく書いてるしカリはサルサの首都といわれてると書いてるので、「カリにサルサ踊りに行きたい」、「カリにサルサ踊りに行きたい」と読者の方からコメントやメッセージなどいただくことがあります。

私のブログのせいで興味持って気軽にサルサ踊るためのカリに観光に行って、万が一トラブルにあったらといけないので今日はコロンビアのカリ市の治安情報を書きますね。

結論からいうと、海外サルサの場所としては個人的にはカリはあんまおすすめしません。
深夜にクラブに踊りに行くという視点でですよ。
キューバプエルトリコみたいにサルサが観光産業になってる国じゃないので、カリはサルサだけのために気軽に観光旅行に行くとこじゃないと思います。


中南米で今一番治安が悪いのはホンジュラスベネズエラで、それらの国は世界トップの殺人率の国です。
それに比べればコロンビアのほうがずっと治安がいいです。麻薬カルテルとマフィアとテロの国などコロンビアのイメージは悪いですが、コロンビアの治安が非常に悪かったのは90年代初頭までで、その後年々治安がよくなりました。
ここ数年は好景気や安全対策もあってかなり治安は改善しています。なかでも首都ボゴタや第二の都市メデジンは劇的に治安がよくなり世界からも評価されてます。

観光客が急増してるけど、観光客の受け入れ体制がまだ観光大国のメキシコやペルーほど整ってないんですよね。
ペルーやメキシコなどの観光大国を見習って、コロンビア政府や観光産業はもっとがんばってほしいです。コロンビアにいた私でもイライラすることがけっこうあるので。


だから自分の知り合いやブログの読者の方から中南米サルサ踊りに行きたいとかサルサ留学に行きたいと相談されたら、別の国をすすめています。
観光客の受け入れ体制がしっかりしてて、英語の外国人向け情報も充実してる、観光ポリスなどがいるとか、外国人向けのサルサレッスンや観光客向けのサルサのクラブがあるなど、観光や長期滞在に向いてる国。特に女性一人旅だと、女性一人でサルサのレッスンとか行けるようなとこじゃないとね。


中南米一周してるバックパッカーがコロンビアにも立ち寄る場合は、コロンビアで訪れる都市をよく知る在住者から情報を得てよく治安状況を把握してください(都市によって治安状況が違います)。
ツアーで行くとか、現地の旅行代理店に旅程組んでもらいアテンドしてもらうならもっと安心だと思いますが。

3-4年前まではコロンビアはまだテロが結構あったんですが、ここ数年景気がかなりよくなってテロもほぼなくなりだいぶ静かになりました。
南米2位の経済国になり(中南米で第3位)バブルになってたんで、ボゴタはかなり変わって新しいビルやマンションがたくさん建っておしゃれなレストランが増えてました。
しかしいまの時点では原油安と(コロンビアは産油国)、対ドルへのペソ安で(※2016に入ってまたレート変わりました)、物価がどんどん上昇してます。物価が3年前の倍くらいなってるのに、日に日に物価が上がっていくのに驚き。ドル持ってる人には有利なんでアメリカ人は安いといってました。アメリカ人の観光客や移住者も急増してます。


ボゴタがずいぶん変わってたのにびっくりしたのでカリに期待しました。
カリもちょっとは変わってましたが、全体的に見るとボゴタほど変わってない。メデジンみたいなケーブルカーができてたが。コロンビア第三の都市ですが、ボゴタメデジンに比べるとやっぱコロンビアの地方ってかんじでなんかダサいんですよね。ボゴタみたいなステキなレストランやカフェとかお店とかほとんどないので、おしゃれにお茶とかランチとかどこですればいいのかって悩むくらい。。。
公園でゆったりしようと思っても、蚊やぶよに刺される(今はジカ熱流行ってるし)。主要道路以外の車道ではちゃりんこやバイクが暴走してます。しかも信号待ちの車をねらった強盗があるので、夜間は車は信号無視していいそうです。
カリにサルサがなかったら、ただの南米の地方都市って感じかな。


確かに数年前にいたときと比べて、コロンビアは治安がよくなったと思いました。
4−5年前は他の都市への陸路での移動はゲリラや強盗が出るので危ないといわれてましたが、今は陸路が安全になったし、空路もLCCが出現したので、国内旅行するコロンビア人が増えたそうです。
いまはとても静かになったとコロンビア人達もみんないってました。


しかーし、日本の外務省の安全情報を見るとカリ市があるバジェデルカウカ県は渡航の再検討をするようにとすごい警告が出てます。
なんでカリ市はそんなに治安がよくないと書かれてるかというと、マフィア抗争があるからだそうです。
けど実際行くと安全情報に書かれてるほどの強い危険は感じませんでした。マフィア抗争は一般人にはほぼ関係ありません。カリ市は強盗やひったくり事件など金目当ての犯罪は多いですけど。


ボゴタメデジンは治安が非常に改善したそうですが、カリの殺人率はあいかわらず高いです。カリ市は毎年世界殺人率ランキングのトップ10くらいに位置しています(去年は7位になってた)。

金目当ての強盗やひったくりは実際かなり多いし、強盗に襲われて抵抗した人が銃で撃たれる事件もあります。強盗にあったら抵抗せずにすぐ渡せとコロンビア人たちから言われてました。私は事件にあったことはないですが、ラッキーだねという人もいます。

コロンビアもスマホ社会で老若男女スマホ持ってます。
コロンビア人も日本と同じでいつもスマホいじってますよ。
スマホ社会だからこそ、スマホを狙った強盗やひったくりがこのごろ特に増えてます。特に最新機種。
日本は世界でも特異なスマホ本体は実質0円割引にして通信費で稼ぐシステムですよね。けど他の地域や中南米は違っていて、スマホ本体は普通は定価です。
しかも日本はIPhone率世界一。IPhoneはコロンビアで最新機種だと10数万円するのでねらわれるかもしれません。
スマホがよく売れるんで、転売目的でひったくりやってる連中がいるときいてます。

日本人がねらわれるというわけではなく、スマホひったくりや強盗はコロンビア人もたくさん被害受けてます。コロンビア人の友達の何人かも通りで歩きスマホしてたら、後ろからやってきたバイクや自転車にスマホひったくられましたよ。店の外のテーブルでお茶してスマホいじってたら、バイクでスマホひったくられた近所の人(カリにいたときの近所の人)もいました。

スマホをひったくられた勢いで転倒して負傷したり、強盗に抵抗して銃で撃たれた事件もあるので気をつけろとコロンビア人たちがいってました。


おととしコロンビアのニュースで見たんですが、カリのクラブ(ディスコ)にグループが突然入ってきて銃を乱射し、クラブにいたお客が多数死傷する事件がありました。 クラブに押し入って入り口からどんどん人を撃っていって、ダンスフロアにいる人たちに乱射し、撃たれてうめいてる人にとどめまでさしていった残虐な映像を見てゾッとしました。まあ、これはコロンビア全国でトップニュースになった特殊な大事件でしかもギャング抗争がらみなので、こういうことは普通おきてないですよ。
 


中南米は概して、エリアによって治安が違います。
コロンビアは貧困層から階層ごとに地域が6段階に分けられているので、高級住宅街と貧困層のエリアが明確。ボゴタメデジンはエリアがはっきりわかれてるんですが、カリはごちゃごちゃ混ざってるのでコロンビアの他都市在住者にもエリアや治安がわかりにくいといわれてます。しかもこのごろカリでは今まで治安がいいといわれていた高級住宅街やエリアで事件がよくおきてます。高級住宅街のほうがお金持った人が多いし、閑静な住宅街は人通りが少ないからでしょう。

それにカリではタクシー強盗がときどきあるので、ボゴタメデジンみたいに流しのタクシーを拾わないほうがいいです。タクシー乗るときは宿やレストランに頼んで無線タクシーをよんでもらう。それかスマホアプリのUBER(配車サービス)も地元では人気です。


それにボゴタみたいな国際都市の都会じゃないので、カリの人はあんまり外国人慣れしてないように思います。
カリには昔から日系人いるのに、アジア系がなぜそんなにめずらしいのかわからないのですが。外国人がいると(アジア人は特に目立つ)、ガン見してくる人います。道歩いてるとわざわざ振り返って見る人もなかにはし、トラムやお店に入ると視線感じます。お店に行くと店員さんが緊張して、私がスペイン語でしゃべってるのに一生懸命へたな英語で返答しようとしてあせってることもありました(日本人が、外国人から日本語で道きかれたときに、パニくって英語で返答しようともがくのと同じ)。
ボゴタメデジンと違ってカリには外国人少ないし、カリはトロピカル気候で性格もルーズであっけらかんとした人が多いので、差別ではなくてめずらしいから見てる感じ。コロンビア人たちは、人をじろじろ見たり、道で知らない女性に声かけるような人はだいたい育ちが悪いと言ってました。

つまり、カリの人はアジア人(特に日中韓)を見分けられない人が大半ということです。


12月にカリに行った人はカリは楽しかったというでしょうが、年末年始はカリがすごく盛り上がる時期なんです。年末年始が終わったら、また普通の地方都市に戻ります 笑。


それと深夜にクラブに踊りに行きたいという方へ。

クラブにはカリではだいたいグループで来てグループごとにテーブルに坐ってお酒のボトル頼むので、日本みたいに1人でクラブに行けないです。観光客向けの店だと1人で来てる外国人もいます。でもカリの人ばかりのローカルなクラブはグループで行ってグループ内だけか、カップルでやってきてカップルだけで踊ります。お酒はカクテルとかビールとか1杯(ビール1本)ずつ売ってるお店は少ないし、カクテルは1杯1000円以上とかします。


カリの人はけっこう閉鎖的で、カリやカリのサルサへの誇りが高い。カリのローカルの人しか来ないクラブでは外国人が来たら外見ですぐ外国人だと分からなくても、踊り方で外国人ってばれるので。観光客向けのクラブならいいですが、コロンビア人ばかりのローカルなクラブは敷居が高いです。カリにコロンビア人の友達がいて一緒に連れて行ってくれるならいいのでしょうが、1人でサルサを踊りに行くのは無理だし、観光客同士でローカルなクラブに行くのは難しいです。

それに、数年前とクラブやクラブゾーンがかなり変わっていました。
観光客やカリ在住の外国人たちが行ってるのは、外国人だらけの数軒のクラブ。観光情報などにも出てる有名クラブです。それにチバスっていう音楽がんがんかかってて飲みながら踊れる観光用バス。シアターや特設会場である大規模なサルサショーは観光客向けのツアーも出てます。こういうのなら観光客が多いですよ。


首都ボゴタメデジンは街角や駅などに警備してる警官が多いんですが、カリはあんまり警官が街にいないのも不安でした。

カリは最近治安のMAPが変わってきてます。今まで安全な高級住宅街だったところで強盗や殺人事件とか急増してます。高級住宅街のスーパーで銃撃事件もおきました。だからカリのコロンビア人たちも、どこが安全でどこが危険かというはっきりとした線引きができなくなったと言ってました。

それでもカリに旅行に行くという方は十分気をつけて下さい。

※ これは2016年2月に書いた記事です。

2016年11月に書いた 「コロンビアでの日本人殺害事件と安全対策」 を読んでください


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「コロンビア人がクラブに行くのは刹那的だから」