Life and Dance in Latino Style

ラテン音楽、スペイン語圏のラテン音楽とダンス。サルサ、レゲトン、バチャータ、メレンゲ等。中南米関連。ラテンファッション。スペイン語。その他の音楽関連

コロンビアサルサがメキシコで

今日はメキシコで、コロンビアサルサの有名グループ、Sonora Carruseles のコンサートに行ったときの話をします。


このブログで何度も書いてるように私はコロンビアのサルササルサ初心者の頃からず~っと好きで、Sonora CarruselesのCDは何枚も持っています。
5年前にもこのブログで、私が一番好きなサルサビデオとしてSonora Carruselesの「La salsa la traigo yo」を紹介しました。 (※  「My favorite salsa video」 を参照してください。)
それがこのビデオです。

Sonora Carruseles 「La Salsa la Traigo y Yo」



サルサの踊り方の参考になるダンスビデオのようなPVだと思います。
コロンビアのカリサルサとは違う踊り方ですが(コロンビアはカリと他の都市ではスタイルが違う)、ビデオでは途中でブーガルーのダンスも出てきてますし、私はほんとはカリサルサよりもこういうコロンビアのサルサの踊り方が好き。
今でもこのビデオ好きです(一番とは言わないが)。5年前と同じようにやっぱり黒いパンツスタイルの女性の踊り方が好きなので、ピンクのドレスの女性のお尻ばかり追うカメラがうざいですが。


で、メキシコで行ったSonora Carruselesのコンサートの話に戻ると、

そのコンサートはSonora Carruseles一組だけのコンサートじゃなくて数組あり、彼らのあとにさらに有名なサルサ歌手のMaelo Ruizが控えていました。(Maelo Ruizには日本のサルサバー定番曲が多いのでみなさん知ってると思います)。

私はMaelo RuizよりもSonora Carruselesのほうが見たかったし、私のメキシコ人の友人たちもSonora CarruselesファンなのでSonoraめあてでした。その友人たちはサルサミュージシャンなので(有名じゃないけど)、Sonora Carruselesがサルサの演奏がすごいうまいと大ファンなのです。



ところが…

他のメキシコ人たちにはあまりSonora Carruselesは知られてなかったのかもしれない

※ コロンビアサルサがメキシコで知られてないわけじゃないですよ。
別の日にGrupo Nicheが出たときは大人気でした。グルーポ・ニーチェのGota de Lluvia とか Una Aventuraとか観客大合唱。(Grupo Nicheは日本のサルサバーの定番。彼らについてと彼らの代表曲については過去トピックの「Grupo NicheのJairo Valera死去」を見てね)




Sonora Carruselesがコンサートで、
日本でもおなじみの「ミカエラ」(ウ、ハー、ウー ハー で始まるノリのいい曲)を歌ったとき、


「Micaela」  



「ミカエラ」はウケたのですが、



日本のサルサバーでもよくかかる 

「La comay」



とかほかの曲はほとんどウケず。。。。




Sonora Carruselesたちはすごい上手に歌ってて、演奏もとても上手だったんですよ。
バンドのトロンボーンやトランペットの人たちが花道(?)まで出てきて演奏を見せたり、パーカッションだけを長く見せたりしたので、サルサミュージシャンの私の友達たちは感激してました。


しかしSonora Carruselesがどんなにがんばってもメキシコ人観客たちにウケないのでだんだんあせってきて、「僕たちはまだメキシコではあまり知られてないだろうけれど、また来年メキシコに来るのでよろしく」とか、メキシコの大きな国旗を背中に背負って歌いながら「ビバ メヒコ(viva mexico)!!!」と叫んだり、気をつかってました。


彼らはコロンビア人ですから、もちろんコロンビアのスペイン語でしゃべります。

前にメキシコのスペイン語とコロンビアのスペイン語がかなり違うとブログの過去トピックに書いたように ( 「メキシコ弁とコロンビア言葉」を参照)、コロンビアは中南米の中でもっとも丁寧な話し方をすると私は思うし、メキシコはラテンアメリカで一番お下劣なスラングが多い国だと言われています。

コロンビアでは、知らない人に話しかけるときに「señor (セニョール)!」とよびかけたり、友達や家族にも「si, señor](シ、セニョール。 英語の Yes, sirだけど、コロンビアではちょっとニュアンスが違う)を使うことがよくあります。

メキシコ人にはそういうコロンビア言葉が奇異に思えるらしく、Sonora Carruselesが観客によびかけるとき「~~~、si señor!」などとコロンビアのスペイン語で話すと、わざとマネして「シ セニョールだってさ、がはははははは」というふうに嘲笑するのです。

私はコロンビアの言葉が分かるので、かわいそうに思いました。一生懸命盛り上げようと思ってしゃべってるのに。。。


しかもなんとSonora Carruseles が歌ってるときに、次に出てくるMaelo Ruizの名前を観客たちが叫びはじめたんです。

「Maelo Ruiz, Maelo Ruiz, Maelo Ruiz!!!    早くMaelo Ruiz 出せや!!!」って。



これには驚愕。 失礼だよね

友人たちに「いくらなんでもリスペクトを欠いてるよ。あまりに失礼すぎて信じられない」って言ったら、「俺たちはサルサミュージシャンだからSonora Carruselesがどんなにうまいか分かってるし前からファンだけど、多くのメキシコ人にはあまり知られてないんだよ。メキシコ人達は自分達になじみのサルサの曲やアーティストじゃなかったり、知らない曲だとノらない人たちが多いので。。。 でもほんとに失礼だよね。同じメキシコ人として恥ずかしい…」と言ってました。


Sonora Carruselesほんとに哀れ。。。

その点、Grupo Niche のほうがメキシコに何度も行ってるから経験値が高いので、メキシコ人が好きそうなゆっくりしたサルサを中心にプレイして観客がすごい盛り上がって一緒に歌ってました(gota de lluviaとかsin sentimientoとかuna aventuraとかcali pachanguero)。


Sonra Carruselesはメキシコじゃなくて日本に来たほうがよかったと思います。日本のサルセーロ達なら日本のサルサバーやサルサイベントでなじみの曲が多いしきっと盛り上がることでしょう。


メキシコはマリアッチの国でサルサの国じゃないからしょうがない
ってみなさんは思うでしょう。
でもメキシコではサルサは人気で、街角でもスーパーでも町の祭りやホームパーティ、結婚式やクリスマスでもがんがんかかってるので、たとえサルサが好きじゃなくても小さいころからいつも耳にしています。コロンビアのボゴタメデジンキューバの観光地以外の場所よりも、メキシコのほうがサルサを耳にしたくらいです。
だからサルサ踊れる人多いですよ(特に大都市)。ON1で踊り、ターンををよくするし、女性によってはターンしたときに片手を上にあげたりすることも(LAスタイルとは違いますが、日本でON1踊ってる日本人にはメキシコは踊りやすい場所じゃないかと思います)。


ただし、メキシコ人は自分たちになじみの曲ばかり聴く(かける)傾向が一般的に高いと思います(特にクラブやディスコ以外の場所では)。自分たちが知らない曲だと「げーーー」なので、何年も前からかかってる曲の傾向がほとんど変わってないと私は思います。知ってる曲なら踊るけど知らない曲だとブーイングということがよくあります。メキシコではクンビアもよくかかりコロンビアの古いクンビアの曲が人気です。でも本国コロンビアではそういうのはもう懐メロだからかかりません。




で、観客がお待ちかねのMaelo Ruizが出てきたときはMaeloの曲はメキシコですごい人気で知られてるので、みんな大合唱してました
日本のサルサバーでもおなじみの曲ばかりです。

Maelo Ruizは、友達が言ってたように、200kgくらいあるんじゃないかと思われるくらいの巨体でした。
(Maelo Ruizとその曲と逸話については、過去トピックの ( 「身体じゃなくて音楽は?」を読んでください)


Maelo Ruiz で日本でもおなじみの曲を紹介しておきます。
他の有名曲は、上記の過去トピックを見てください。


Maelo Ruiz  「 Este Amor Que Mata 」



(このビデオより、私が見たときはもっと太っててライブのときマイクの前に直立でずっと歌ってるだけでした)