Life and Dance in Latino Style

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ハリケーン被害の米領プエルトリコ、トランプに嘲笑されて最悪の状況に

ハリケーンで壊滅的被害を受けたプエルトリコ

その悲惨な状況については以前ブログにかきました。

→  「見捨てられたハリケーン被災のプエルトリコ 」


今回はその続編。

米本国のトランプに嘲笑されて、米領プエルトリコはさらに窮地に陥っています。



ハリケーンマリアの被害からもう3週間半たちましたが、さらに深刻な事態になっています。
(最初のハリケーン・イルマからは1ヶ月と1週間)



プエルトリコは独立国ではなくて、アメリカの自治領。
ビザも米のだし、米憲法下にあります。




カリブは、米に近い方からキューバドミニカ共和国、その隣がプエルトリコ
プエルトリコはタイノ族の国だったけど、スペインの植民地にされタイノ族はほとんど絶滅し、スペイン語圏に。
100年以上前に、プエルトリコは次は米領土にされたんです。

プエルトリコ人は米在住でも自分はボリクア(プエルトリコ人)といいます。
ラテンアメリカのカルチャーで、サルサレゲトン大国。



今までアメリカの自治領に甘んじてきたのは、なにかあったときにアメリカが助けてくれると思ってたことが大きいと思います。


しかし、アメリカの領土だったことが今回の悲劇を生んだと思います。


プエルトリコは米領だから米市民なのに、340万人をアメリカ政府がちゃんとケアしないからです。



今年はアメリカ本土も大きなハリケーン被害がありました。

米のメディアはカリブ海に次のハリケーンが接近してる時も、米本土にいつ来るかばかり報道してました。
カリブ海諸国はハリケーンで壊滅的な被害を受けたところが多かったのですが、米の被害に比べると非常に報道の扱いが小さかった。
日本を含め世界でもそんなに報道されてません。


アメリカ領のバージン諸島とプエルトリコに壊滅的な被害が出たとき、米のトランプ大統領は2週間も休暇中でゴルフを楽しみ、ツイッターで別のことについてつぶやいてるだけでした。

プエルトリコの知事や首都のサンファンの市長が公式に米に救援を求めても、トランプはそれは自己責任だとか、プエルトリコなんか経済破綻してるから自分で対処できないんだろうなどとツイートしてました。

FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)はトランプの許可がおりないので、救援にいけない。



プエルトリコは住宅はハリケーンで吹っ飛ばされたうえ家も道路も浸水してたし、停電が続き、飲料水や食料が尽きかけてた。

電話も不通で、停電で携帯やネットも使えないので連絡がとれない市町村がたくさんあります。
3週間半たっても被害の全体像がまだつかめてないし、いったい犠牲者が何人いるのかもわからない状態です。

ガソリン不足で病院の非常用電源が使えなくなり、生命維持装置などが必要な重篤の患者が病院で亡くなったケースも。


プエルトリコの知事と市長が、米と世界に向けてプエルトリコを助けてとSOSをだしました。



トランプはハリケーンから2週間たってラスベガスで乱射事件もあったのでやっと休暇から戻って、プエルトリコに短時間の視察に行きました。




プエルトリコにおいてトランプが会見で



プエルトリコの被害なんてカトリーナのハリケーン被害に比べたらたいしたことない。
プエルトリコのハリケーンで何人亡くなったの?
え、16人か?
たったそれだけしか死者がいなかったの?
だったらラッキーだったじゃん」

プエルトリコの救援のせいで、米の国家予算のプランが狂った」



と会見で言ったのです。








そして被災者に向かって、トイレットペーパーを放り投げて渡しました。






ちなみにこの時点で医者が死亡確認をして死亡が確定した死者の数が16人だったのであり、正確な死者数はまだ判明してませんでした。
連絡がつかない市町村もあるし、道路が寸断されているのでわからない。


昨日(10月11日)の時点では、死亡が確認されたのが45人。
トランプが来た時の3倍に死者が増えています。

しかし、道路が寸断されて通信手段が途絶えているので地方の市町村の実情がわからず、実際の死傷者がどのくらいいるのかはまだぜんぜんわかってない状態。




しかもトランプは被災者に、「have a good time! 」(楽しんでね!) と言ったんです。


で、さっさとプエルトリコから米に戻りました。
ハイヒールはいた奥さんを連れてね。



この人には同情心すらないんだな。

これは人道的な問題なのに被災者を嘲笑するような人間がなぜリーダーなのかと米でも批判されてました。





ついにトランプの許可が出たので、米からの救援物資も届き始めました。

けどいくら救援物資が中央や港に届いても、ハリケーンで道路が寸断され水に浸かったりしているところが多いし、まったくルートが復旧してないから被災者に届けられない。
通信手段もないから、孤立している市町村がどうなっているのか状況もわからない。



米軍がヘリなどを出して、孤立しているところから住民を救出したり水と食料を届けるしかないと思います。
なのにそれを米がしてない。

米の海兵隊員にはプエルトリコ人が多いんですよ。
シリアの前線などで若いプエルトリコ人が戦ってます。
あの人達はプエルトリコの救援の方にに行きたいと思ってることでしょうね。



アメリカにはJone's Actという法律があって、アメリカ国内に救援物資を届ける場合は米国籍の船で乗務員が米人の船じゃないといけないという内容だそうです。
プエルトリコは米領なので米国籍の船や軍隊の船を使わなきゃいけない。
でも外国籍の船に比べてコストが高いのも、米政府がプエルトリコに救援を出し渋った理由です。


でもその法律にのっとって救援物質を送り始めました。
といっても米本土の救援の方が優先で、プエルトリコにはマイナーな救援にとどまりました。
しかしその救援をこんどの日曜日(15日)で打ち切るそうです。
信じられない。。。



プエルトリコはまるで1世紀か2世紀昔に戻った感じ、だとニュースに書いてありました。
電気もなく、飲み水もなく、電話もない。